サムスン電子がグローバルフォルダブル市場で「首位固め」に乗り出した。今年8月に米国、カナダ、英国、欧州全域を皮切りに、グローバル市場で発売された「Galaxy Z Fold3・Flip3」がヒットする中、次世代フォームファクター計画と出荷量増加計画が公開された。韓国メディア「ファイナンシャルトゥデイ」が報じた。
オランダのITメディア「レッツゴーデジタル」の報道によると、最近、世界知的財産機関(WIPO)は、サムスン電子が2019年に出願したデザイン特許を承認した。今回の特許は、サムスン電子が最近まで発売した「フォルダブル」シリーズとは異なり、上下に広い面を畳む形となっている。
「Galaxy Z Flip3」と同じ形だが、ディスプレイがより広い形だと言える。これを通じてFlipシリーズで息苦しさを感じていた顧客層のニーズを引き出す狙いとみられる。
現在、サムスン電子はそれ以外にも二つ折りの「屏風型折りたたみフォン」とくるくる巻く形の「ローラーブルフォン」特許も持っている。二つ折りのフォルダブル製品の場合、サムスンディスプレイが「Flex in&Outフォルダブル」として公開したことがある。当商品は二つ折りなので、FlipシリーズとFoldシリーズの両方のメリットを持てるのが特徴だ。
今後はスマートフォンだけでなくタブレットやノートパソコンといった製品にも搭載されることが期待されている。レッツゴーデジタル側は「サムスンが実際にこのタイプのフォルダブルフォンを発売するかどうかは当分の間分からないが、いくつかのモデルを開発中だ」と説明した。
現在、グローバル市場でサムスン電子のフォルダブルシリーズは「独走体制」となっている。フォルダブルフォンが市場に登場した当時はシャオミ・OPPOなどの中国企業とグーグルがフォルダブルフォンに目をつけていたため、市場シェアが分かれると考えたのだ。
しかし、フォルダブルフォンの商用化以後は、サムスン電子の製品の期待以上の成績を収めている。ディスプレイを畳む技術力においてサムスン電子が市場をリードしている。中国メーカー各社が発売する製品は、耐久性の面で大きな格差があり、アップルはまだ、フォルダブルフォンを発売していないのが現状だ。
こうした技術力格差により、Fold3・Flip3の発売以降、米国市場内のフォルダブルフォンの販売比重は12%(カウンターポイントリサーチ基準)まで上昇した。昨年同期間、フォルダブルフォンの販売割合は1%未満に止まった。
これはサムスン電子のスマートフォン販売台数の増加にも影響し、全体販売台数は9%増加した。
サムスン電子の独走体制は今年末まで続く見通しだ。市場調査会社のカウンターポイントリサーチは、今年のグローバル市場でのフォルダブル出荷量を900万台まで増やすと予想し、このうちサムスン電子が市場の88%を占めると予想した。
業界によると、サムスン電子はこのようなヒットのおかげで、フォームファクター革新と共に、来年のフォルダブルスマートフォンの目標出荷台数を1000万台以上に設定したという。最近は、フォルダブルフォンの価格も大衆化しているという評価を受けている。移動通信業界によると、最近「Galaxy Z Fold3」の公示支援金は最大60万ウォン(約5万8千円)台まで上がったという。
カウンターポイントリサーチのイム·スジョン研究員は「プレミアムスマートフォン市場での優位確保戦略の一環として、サムスンがグローバルで初めて発売したGalaxy FoldとFlipシリーズの場合、これまでの成果から見て、成功的だと評価できるようだ」と述べた。
続いて「今年8月に発売された2つの新製品が9月末まで200万台をはるかに超えるグローバル販売台数を記録した」とし「特に数年前から毎年言及されてきた既存モデルとの差別化不足という評価を確実に払拭し、新しいフォームファクターを期待する消費者の要求にタイムリーに応えた」と付け加えた。
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