サムスン電子の普及型スマートフォン「GalaxyA13 5G」が最近、米国連邦通信委員会(FCC)からの電波認証を通過した。早ければ年末または来年初めにグローバル市場での発売が予想されるという。韓国メディア「イートゥデイ」が報じた。
何よりも、サムスン電子5Gスマートフォンの中で最も安い(20万ウォン、約2万円台)といわれているGalaxyA13の発売を受け、サムスン電子が新興市場でのシェア向上ができるかどうか、期待を集めている。
28日の電子業界によると、インドや東南アジアなど新興市場での5G商用化により、中低価の「普及型5Gスマートフォン」の競争はさらに激しくなると予想される。
カウンターポイントリサーチのイム·スジョン研究員は「北米、欧州、中国など5Gインフラがある程度構築された市場では期待されていた5Gへの交換需要がすでに相当部分進んでいる」とし「一方、インドや東南アジア、中南米などまだ5Gへの交換需要が豊富で、価格に敏感な新興市場でスマートフォンメーカーの5Gモデル競争が熾烈になっている状況」と述べた。
キウム証券や市場調査機関のカウンターポイントによると、地域別5Gスマートフォンの浸透率は、韓国78%、中国74%、北米66%、日本59%、欧州44%だった。一方、インド、東南アジア、中南米などの新興国は10~20%以下の浸透率を見せた。
しかし、5G商用化初期段階の新興諸国で、政府レベルのインフラ投資が続いている上、これを受け、5Gスマートフォンへの買い替え需要が大きく、「機会の市場」といわれている。そのため、豊富な買い替え需要のあるこの市場で、誰が早いテンポでシェアを占めるかが重要になってきた。
サムスン電子のグローバル5Gスマートフォン市場でのシェアは、アップル、シャオミに次ぐ3位だが、普及型5Gスマートフォンのシェアは、中国メーカーのVIVO30%、OPPO23%、シャオミ16%、サムスン電子8%、アナー6%の順で4位に止まった。
価格に敏感な新興諸国で、中国メーカー各社は攻撃的な低価格攻勢をかけ、早い成長振りを見せている。実際、今年第2四半期は、200~399ドル(約23万~47万ウォン、約2万2千円~4万5千円)価格帯の5Gスマートフォンのシェアは37%に達した。
サムスン電子は、Galaxyモデルの中で最も安価なシリーズであるGalaxyAシリーズに5G適用を拡大する方針だ。中国メーカー各社の低価格攻勢に対応し、新興諸国での市場シェアを高めるための戦略と見られる。
サムスン電子は今月16日、オンラインで行われた「2021インベスターフォーラム」で来年からGalaxyAシリーズの全モデルに5Gを支援すると明らかにした。「中低価5Gラインナップ」強化のため2022年に発売を準備中のGalaxyAシリーズはGalaxyA73 5G、GalaxyA53 5G、GalaxyA33 5G、GalaxyA23 5G、GalaxyA13 5Gなどだ。
またサムスン電子は、モデル競争力の強化に向け、価格だけでなくスペックの引き上げにも乗り出す。普及型スマートフォン全般でIP6~7等級防水·防塵と高性能カメラ、大容量バッテリー、ステレオスピーカーなど消費者が好む機能を増やす方針だ。
イム·スジョン研究員は「中低価モデルのスペック上向き平準化で性能的な側面では大きな差別化を持ちにくい」とし「価格に敏感な新興市場を攻略するためには中低価帯の製品ポートフォリオを拡大して消費者の選択幅を広げなければならない」と強調した。
さらに「最近増加しているオンライン流通の比重に対応するために現地E-コマース(e-commerce)企業との戦略的パートナーシップを通じた流通チャネルの強化も重要だ」と提言した。
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