サムスン電子がクアルコムの次世代スナップドラゴン8Gen1(第1世代)チップセットを独占的に製造する。韓国メディア「グローバルエコノミック」が報じた。
インドIT専門メディアのテクレイダーは3日(現地時間)、クアルコムが最近4ナノメートル(nm10億分の1メートル)工程で構築されたスナップドラゴン8Gen1チップの主力製品を公開し、このように明らかにしたと報道した。
クアルコムのクリスティアーノ・アモンCEOが今月1日、ハワイのコナと中国の海南で開かれた「スナップドラゴンテックサミット2021 Q&Aセッション」で、このような内容を明らかにした。これに先立って、クォルコムのモバイル、コンピューティング・インフラ事業部のアレックス・カトゥージアン首席副社長は、スナップドラゴン8Gen1はTSMCファウンドリーに行かなかったと確認している。
カトゥージアン副社長は「スマートフォンでは前例のない連結性、写真、人工知能(AI)、ゲーミング、サウンド、セキュリティ機能を提供する」と今回の意味を説明した。スナップドラゴン8gen1には演算を担当する中央処理装置(CPU)、グラフィックを担当するグラフィック処理装置(GPU)、通信を担当するモデムチップなど統合チップ(SoC)形態で構成される。
これまでクアルコムは、台湾のTSMCで製造したスナップドラゴン888(2020年)、865(2019年)、855(2018年)のような一部チップセットを保有していた。今後、台湾のチップメーカーは最高級チップセットの製作に向け、サムスンファウンドリーと提携を続けるという。これまでクアルコムは、「スナップドラゴン888」、「スナップドラゴン765」のように三桁の名前を付けてきた。しかし、今回は「スナップドラゴン8」に名前を単純化し、後ろに世代番号をつけるやり方に体系を変えた。
これを受け、新しいスナップドラゴンチップセットは、新年に米国やアジア、アフリカ全域で発売予定のサムスンスマートフォン「Galaxy S22」シリーズに搭載される見通しだ。
新しいフラッグシップ(次世代)チップセットのスナップドラゴン8Gen1は最近発売されたメディアテックの「ミメンサーティ9000プロセッサー」だけでなく、アップルの「A15バイオニック」と共にバリュー・チェーンに位置するため、クアルコムにとって非常に重要だ。数週間内に発売されるサムスンの「エクシノス(Exynos)2200」もある。これらは全て、強力でありながら電力効率の高い4nm工程を使っている。
スナップドラゴン8Gen1が装着されれば、速い処理速度や写真技術の高度化が期待される。従来のモバイルAPであるスナップドラゴン888対比CPUは20%、GPUは30%それぞれ性能が向上した。最近発表された5世代移動通信(5G)モデム-RFチップの「第4世代スナップドラゴンX65」が組み込まれ、ダウンロード速度は最大10Gbps(ギガビット)、アップロード速度は最大3.5Gbpsとなっている。18ビットイメージ·動画処理(ISP)エンジンも最初にサポートする。これは1秒に1200万画素の写真240枚を撮りながら、前作比4000倍も多いカメラデータを処理できる。
一方、最近TSMCが来年、アップルのM3チップを製造するため、3nmノードを準備するという報告書が出ている。台湾の貿易メディア「デジタイムズ」は、TSMCがすでにN3ラインとして知られている新しいプロセスの生産テストを進めていると報じたことがあるが、船積みは2023年初めに予想される。
アップルが現在5nmチップセットを固守しているため、9~10カ月以内に発売されるiPhone14がiPhone13ほど強力ではないという話が専門家の間で出回っている。
スナップドラゴン8Gen1チップセットが来年以降に多くの最高級仕様携帯電話に使われるとの見通しは疑いない。サムスン、OPPO、シャオミ、ワンプラス、モトローラ、リアルミーなどの最高ブランドの主力製品は、2022年に計画された最高装置にこのチップセットが採用される。
アップルがチップセットのアップグレードの遅れにより、結局1年を失うこともありうることを考慮すれば、フラッグシップ装置を製造しているサムスンやその他の中国のライバルメーカーは、これを最大限活用できる。
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