ポスコケミカルが米国1位の自動車メーカーであるゼネラルモーターズ(GM)と電気自動車バッテリー用の正極材合弁会社を設立する。韓国メディア「プレシアン」が報じた。
ポスコケミカルとGMは2日、正極材合弁会社を設立し、北米地域に大規模な生産工場を建設すると共同で発表した。
合弁法人は2024年からハイニッケル正極材を生産し、GMの電気自動車バッテリーを生産するアルティアムセルズに供給する計画だ。投資規模と工場位置などの詳細計画は後日公開する予定だという。
ポスコケミカルはバッテリー素材会社としては初めて自動車会社と合弁会社を設立し、電気自動車市場が急成長する北米にバッテリー核心素材供給網を構築することになる。
正極材はバッテリー原価の約40%を占める素材だ。
ポスコケミカルは昨年12月、アルティアムセルズの正極材供給会社に選定され、このため年産6万トン規模の工場を全羅南道光陽(チョルラナムド・クァンヤン)に建設している。
今回新設する北米工場でも、大規模な正極材を追加で供給し、GMとの協力関係を拡大する。
GMはLGエナジーソリューションと2019年にアルティアムセルズを設立し、オハイオとテネシーにそれぞれ年産35GWh規模のバッテリーセル生産工場を建設している。
米政府は2030年までに米国販売新車の50%を電気自動車に取り替えるというエコモビリティ政策と自国内のバッテリー供給網強化のための関税政策を強力に推進している。
このような中、ポスコケミカルは、大規模な海外投資によるリスク負担を最小限にとどめながら、北米市場に安定的に進出できるようになったと説明した。
また、今回の合弁投資に基づき、北米、欧州、中国などにグローバル正極材の生産能力を拡大する計画である。
ポスコケミカルは、アルティアムセルズが生産を開始する時点で、次世代電気車用素材のハイニッケルNCMA正極材やバッテリーの充電速度を短縮し、安定性を高めた低膨張負極材などを供給する予定だ。
GMのダグ・パークス・グローバル製品開発及び購買副社長は「今回の協力は米国内の電気自動車生産を早く拡大し、バッテリー性能、品質、費用面での革新を牽引するための戦略の核心」とし「GMは原材料からバッテリーセル製造、リサイクルに至るまで生態系全般にわたる持続可能で弾力的な電気自動車北米供給網を構築中」と述べた。
ポスコケミカルのミン·ギョンジュン社長は「グローバル電気車産業をリードするGMと協力し、グローバルバッテリー供給網構築プロジェクトに参加することになった」とし「世界最高レベルの素材技術、量産能力、原料競争力を基にバッテリー核心素材を革新し、グローバル・エコモビリティ市場の成長を導いていく」と明らかにした。
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