コロナやグローバル供給網の問題にも関わらず、今年第3四半期のグローバルメモリ半導体とディスプレイ市場は、前年に比べ成長していることがわかった。特に韓国の輸出は、前年同期に比べ大きく増加し、危機の中でも善戦した。韓国メディア「news1」が報じた。
4日、韓国輸出入銀行海外経済研究所の「ICT産業2021年第3四半期動向」によると、第3四半期のグローバル半導体市場は、金額基準で、データセンター・モバイル用の需要増加や価格上昇により前年同期比42%増加した。
詳しく見ると、DRAM市場は前年同期比52.2%増加した266億ドル(約3兆365億円)、NANDフラッシュ市場は前年同期比30.1%増加した89億ドル(約1兆160億円)を記録した。
サーバー用半導体の需要は、インテルとAMDの新規サーバー用CPUであるアイスレイクとミランの発売やデータセンターの購入拡大などにより増加した。モバイル用メモリ半導体需要も、iPhone13など主要スマートフォンの発売や搭載容量の拡大により増加した。ただ、PC用メモリ半導体需要は、ウィズコロナやPCの部品供給不足により鈍化した。
第3四半期の韓国の半導体輸出も、サーバーとモバイル用メモリ半導体需要の増加や単価上昇により、前年同期比35.7%増加した351億ドル(41兆4707億ウォン、約4兆68億円)を記録した。
詳しく見ると、メモリ半導体輸出は、DRAM輸出が前年同期比40.4%増加した111億ドル(約1兆2671億円)、NANDフラッシュ輸出が前年同期比9.6%増加した17.2億ドル(約1963億円)を記録した。対中国(香港含む)輸出は前年同期比35.5%、対ベトナム輸出は22.7%増加した。
第3四半期のグローバルディスプレイ市場は、テレビの需要が鈍化したものの、スマートフォン用OLEDの需要増加などにより前年同期比24%成長した。
詳しく見ると、LCD(液晶表示装置)市場は、ノートパソコン・モニターパネルの良好な需要と高い価格により、前年同期比15%増加した。OLED市場は、スマートフォンとテレビ用パネルの需要増加などにより前年同期比48%成長した。
このうち、スマートフォン用OLED市場は、スマートフォンの新モデル発売やOLEDパネル搭載の増加などにより、前年同期比56%成長した。テレビ用OLED市場も、大型高画質テレビの人気などにより前年同期比17%成長した。
韓国の第3四半期のディスプレイ輸出も、モバイル用OLEDパネルの需要増加などにより、前年同期比23.4%増加した67.4億ドル(7兆9653億ウォン、約7695億円)を記録した。
このうち、OLED輸出は前年同期比51%増加した42.4億ドル(約4840億円)、LCD輸出は前年同期比8%減少した14.9億ドル(約1701億円)を記録した。
OLED輸出は2019年第3四半期からLCD輸出を追い抜き、スマートフォンとテレビ用OLEDパネルの需要増加などにより、2020年第4四半期から前年同期比30%以上の成長を続けている。LCD輸出はパネル価格の下落や韓国企業のLCD撤退などにより下落が続いている。
輸出国を見ると、ベトナムに59%、中国(香港含む)に35%が輸出された。ベトナムはOLEDの最大輸出対象国であり、韓国企業のスマートフォンとテレビの生産基地だ。
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