韓国科学省(科学技術情報通信部)が2022年に運用する研究開発(R&D)予算が最終確定した。科学省は3日、「国会本会議が18兆5737億ウォン(約1兆7700億円)規模の予算・基金運用計画を議決・確定した」と明らかにした。これは、前年比で6%増額されたものである。韓国メディア「中央日報」が報じた。
予算増加幅(34.5%)が最大の分野は3大新産業(システム半導体、バイオ・ヘルス、未来車)育成事業だ。未来のコンピューティングパラダイムを変える新概念インテリジェント半導体(PIM)技術開発に新規で309億ウォン(約30億円)を投資する。また自律走行車のコア技術開発をアップデートするのに284億ウォン(約27億円)、国家新薬を開発するのに461億ウォン(約45億円)投入する。
政府が昨年7月に発表したデジタルニューディールにも莫大な予算(2兆7300億ウォン)(約2600億円)が投入され、昨年比で予算が33.3%増えた。デジタルニューディールとはコロナ19事態以降、景気回復のために産業のデジタル転換を推進するプロジェクトである。 人工知能(AI)学習用データ構築(3705億ウォン→5797億ウォン)(約360億円→560億円)、AIバウチャー(1790億ウォン→2221億ウォン)(約160億円→210億円)、AI+Xプロジェクト(523億ウォン→587億ウォン)(約50億円→54億円)予算を拡大した。これは、民間企業がAIと関連した新製品・サービスを披露できるよう支援するためだ。
現実世界と同じ社会・経済・文化活動がなされる3次元仮想世界(メタバース)技術を支援するために、仮想現実(VR)・拡張現実(AR)コンテンツ産業を育成し(887億ウォン)(約86億円)、ハッキングウイルス対応体系を高度化する(634億ウォン)(約61億円)。
最大規模の予算を投入する部門は、基礎・源泉研究と先端戦略技術の開発である(7兆5600億ウォン)(約7400億円)。基礎研究に2兆ウォン(約1900億円)以上を投入し(2兆14億ウォン)(約1910億円)、韓国型発射体(ヌリホ・KSLV-II)と韓国型衛星航法システム(KPS)開発事業にそれぞれ1728億ウォンと320億ウォン(約170億円と約300億円)を新規投入する。コロナ19以降、話題に浮上したワクチン主権を確保するため、ワクチンハブ基盤構築支援事業にも193億ウォン(約180億円)を新規投入することにした。
政府のR&D総額29兆7755億ウォン(約2兆9000億円)、日本の輸出規制対応から始めた素材・部品・装備技術自立事業予算も増えた。今年1436億ウォン(約130億円)を投入したナノ・未来素材技術開発に1838億ウォン(約180億円)を投入し、量子コンピューティング(114億ウォン)(約11億円)・核融合技術(41億ウォン)(約4億円)など先端技術確保にも投資する。
このほか、科学技術・情報通信人材養成(7400億ウォン)(約700億円)と気候危機・炭素中立源泉技術開発(8900億ウォン)(約870億円)と相当な予算を投入する予定だ。
38の政府部・処・庁が遂行する2022年度の総研究開発(R&D)予算は29兆7755億ウォン(約2兆9000億円)だ。今年(27兆4005億ウォン)(約2兆7000億円)と比較すると、8.7%(2兆3750億ウォン)(約2000億円)増えた。
イム・ヘスク科学技術情報通信部長官は「デジタル大転換と人中心科学技術革新先導国家実現のために2022年度の科学技術情報通信部予算を使用する」とし「コロナ19以降、経済回復と経済構造変化対応に積極的な役割を果たすだろう」と話した。
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