新型コロナウイルスの状況でも、今年の中小企業の輸出額が過去最高値を突破し、新記録を樹立する見通しだ。韓流ブームとKビューティーの人気を追い風に、今年の輸出額が2位に急成長し、半導体の製造装備やK防疫に関連する医薬品の輸出額も昨年より4倍に成長した。韓国メディア「韓国日報」が報じた。
中小ベンチャー企業と関税庁は12月8日、今年に入ってから11月29までの中小企業の輸出額が過去最高値の1,052億ドル(約11兆9700億円 )を突破したと明らかにした。中小企業は、統計を取り始めた2010年以降、年間1,000億ドル(約11兆3800億円)前後を輸出してきたが、2018年は最高実績の1,052億ドルを記録した後、2019年(1,009億ドル/約11兆4800億円)と昨年(1,007億ドル/約11兆4600億円)には輸出額がやや低迷した。先月すでに新記録を超えただけに、今年の年間実績も過去最高をリザーブしている状況だ。
このような実績は、まず新型コロナウイルスの状況でも輸出中小企業数や輸出規模が増加したことに起因する。中小企業部によると、2010年に7万4,851社だった輸出中小企業数は、今年10月基準で8万7,019社と16.3%増え、中小企業の輸出額は同期間で752億ドル(約8兆5500億円)から953億ドル(約10兆8400億円)に26.7%増加した。特に1,000万ドル(約11億3800万円)以上の輸出企業数は1,834社、輸出額は499億ドル(約5兆6800億円)で過去最高値を記録した。
主力輸出品目である半導体製造装備や医薬品の輸出額の増加も寄与した。2010年、中小企業の輸出品目の中で30位にとどまった半導体製造装備の輸出額は、グローバル半導体市場の好況を追い風に今年10月までで33億ドル(約3800億円)を記録し、5位に上がった。
医薬品の輸出額は、診断キットの開発で新型コロナウイルス以降、需要が爆発的に増加し、昨年14億ドル(約1600億円)から今年10月基準で28億2,000ドル(約3200億円)に2倍以上成長して中期輸出品目の中で6位へ飛躍した。また、ほかの主力品目の化粧品は、Kビューティーや韓流ブームで継続して成長し、2010年の輸出品目の中で62位から今年は2位に急成長した。
そのほか、農産・水産・畜産加工品の輸出が2010年と比べ161%増加した15億ドル(約1700億円)を記録した。新型コロナウイルス以降、食品を保存する傾向が続き、Kフードブームに乗って、高い成長率を記録したものと解釈される。
また、電気自動車(超小型自動車を含む)が今年2,232万ドル(約25億4000万円)を記録し、初めて輸出が行われた2017年に比べ、2,205%増加する潜在成長性を見せた。自動車輸出は、これまで中古自動車輸出を中心に10位圏を維持してきた分野だ。
中小ベンチャー企業部のクォン・チルスン長官は「今後も輸出中小企業の現場の声を輸出政策に反映し、モメンタムを拡大できるよう努力する」と明らかにした。
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