サムスン電子がシャオミの次世代フラッグシップスマートフォン「ミックス5」シリーズに搭載されるチップセットを生産する。クアルコムが最近発売したアプリケーションプロセッサー(AP)「スナップドラゴン8」の第1世代受注効果だ。韓国メディア「THE GURU」が報じた。
業界によると、シャオミが来年上半期に発表するフラッグシップモデル「ミックス5」と「ミックス5プロ」には、サムスンの4ナノメートル(nm)工程基盤「スナップドラゴン8」第1世代チップセットが搭載される。
クアルコムは今月初めに開催した「スナップドラゴンテックサミット2021」でスナップドラゴン8第1世代を初公開した。前作の「スナップドラゴン888」に比べ中央処理装置(CPU)とグラフィック処理装置(GPU)の性能がそれぞれ20%、30%向上したのが特徴だ。クアルコムのクリスティアーノ・アモン最高経営責任者(CEO)は同日、サムスン電子がスナップドラゴン8第1世代の全量を生産すると発表し、両社間の協業を公式化した。
サムスン電子は昨年、5ナノ工程基盤の「スナップドラゴン888」を受注し、クアルコムと初めてファウンドリ(委託生産)パートナーシップを結んだ。クアルコムが後続作の「スナップドラゴン888プラス」までサムスン電子に生産を任せ、蜜月が深まっている。
ただし、クアルコムはサムスン電子の低い4ナノ工程歩留まり問題でTSMCと新しい交渉テーブルを作ったという。スナップドラゴン8第1世代の一部物量を移転するためだ。契約が実現する場合、スナップドラゴン8第1世代のTSMCバージョンは来年下半期頃に量産される予定だ。
当初、サムスン電子とTSMCがスナップドラゴン8第1世代を分けて生産するだろうという見方が出ていた。アモンCEOがサムスン電子の全量受注を公式に確認したことで関連主張が一蹴されたが、低い工程歩留まりが新しい問題に浮上し、状況が急変している。
一部では4ナノ工程を基盤とするサムスン電子の次世代モバイルAP「エクシノス2200」の生産歩留まりも来年第1四半期までに45%に満たないとの見通しも出ている。
アモンCEOも同様に、サムスン電子とのパートナーシップを強調する一方、供給網の多角化への可能性を残した。同氏はテックサミットで「(サムスンと共に)TSMCも立派なパートナーであり、今後インテルファウンドリの活用も検討している」と伝えた。
一方、シャオミのミックス5は△5000万画素、4800万画素、4800万画素望遠などのトリプル背面カメラ、△4800万画素前面カメラ、△急速充電などを支援するものと予想される。
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