サムスン電子のヒットを皮切りに中国企業も「フォルダブルフォン」を続々と出している。これを受け、フォルダブルフォンパネルを量産しているサムスンディスプレイの中小型OLEDの立場も強固なものになる見通しだ。韓国メディア「ニューデイリー経済」が報じた。
15日、業界によると、OPPOはこの日、自社初のフォルダブルフォン「OPPOファインドN」を公開する予定だという。
OPPOファインドNは、画面を内側に畳むインフォルディング構造を採用し、7.1インチのフォルダブルOLEDパネルが搭載された。サムスン電子の「Galaxy Z Fold3」と同じ構造で、パネルも同じくサムスンディスプレイから供給される。
2019年に画面を外側に畳むアウトフォールディング方式のフォルダブルフォン「メイトX」を発売したファーウェイは、今年初めにサムスンと同じインフォルディング方式の「メイトX2」を発売し、近いうちに「Galaxy Z Flip3」と類似したクラムシェル形態の「メイトV」を発表する見通しだ。
すでにフォルダブル市場に参入したシャオミも後続製品を準備している。
サムスン電子に続き、中国メーカー各社も、フォルダブルフォンに積極的に参入し、事実上、フォルダブルOLEDパネルを独占供給しているサムスンディスプレイの市場支配力も、一段と強化される見通しだ。
市場調査会社オムディアによると、今年、世界のフォルダブルOLEDパネル出荷台数の予測値である1000万台のうち、サムスンディスプレイが940万台を出荷するだろうと見込んだ。
スマートフォンのOLEDパネル市場でフォルダブルの割合は1%台と大きくないが、サムスン電子の「Galaxy Z Fold3」と「Galaxy Z Flip3」シリーズが国内発売から39日間で100万台以上売れてヒットに成功したほか、中国企業の加勢でフォルダブルフォンの大衆化にもスピードが付くものと観測され、シェアが早いテンポで拡大するものと見られる。
フォルダブルOLED出荷量は今年1000万台から2025年6600万台で、今後5年間年平均61%の成長率を記録する見通しだ。売上も今年16億1000万ドル(約1832億円)から2025年82億6000万ドル(約9397億円)へ増加し、年平均成長率が50%に達すると予想される。
サムスンディスプレイは、増えつつあるフォルダブルOLED需要に対応するための投資も進めている。サムスンディスプレイは最近、ベトナムOLEDモジュールラインの増設に着手した。今回の投資は、フォルダブルディスプレイなど中小型OLED生産量拡大対応のレベルで行われたという。
これに先立ちサムスンディスプレイは今年第3四半期業績カンファレンスコールでも「急成長しているフォルダブルディスプレイ需要に適期対応するためモジュール投資は必要とみられる」とし「モジュールライン投資について積極的に検討中」と明らかにしていた。
続いて「フレキシブルOLEDはライン最適化のための補完投資は持続的に行われなければならない」とし「必要ならば遊休LCDラインを積極的に活用する」と付け加えた。
サムスンディスプレイは「IMID 2021」からS字型に二つ折りのフレックスインアンドアウト(Flex In & Out)フォルダブル製品を発表するなど、フォルダブルディスプレイ新技術の開発にも拍車をかけている。
業界関係者は「サムスン電子がリードしているフォルダブルフォン市場は第3世代バージョンである「Galaxy Z Fold3」と「Galaxy Z Flip3」のヒットで市場成長に対する確信を高めている」とし「フォルダブルフォンが大衆化すればするほど、サムスンディスプレイの好材料も期待される」と述べた。
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