韓国国内のある研究チームがコロナ19の天敵である深紫外線LED(deep ultraviolet rays LED)を開発し、注目を集めている。
浦項(ポハン)工科大学新素材工学科のキム・ジョンファン教授(写真)、統合過程のソン・スボム、ユン・サンホ氏の研究チームが24日、六方晶-窒化ホウ素(h-BN)を利用して深紫外線LEDを初めて開発したと明らかにした。韓国メディア「世界日報」が報じた。
深紫外線LEDは、短い波長の紫外線を放つように設計された200~280ナノメートル(nm)半導体光源のことをいう。このLEDをコロナウイルスや細菌に映すと、人体に及ぼす害を最小化しながらも有害な病原体を死滅できる。
可視光線と違って紫外線は物質に当たれば、形態を変形・破壊することができる。このうち、透過度の高い近紫外線は肌に露出すると疾病を誘発することができるが、深紫外線は肌の透過度が極めて低く、安全に使用できる。
これを受け、これまで深紫外線LEDを開発する研究が活発に行われてきた。主に使われた素材は窒化アルミニウムガリウム(AlxGa1-xN)だった。
しかし、この素材は波長が短くなるほど発光特性が急激に低下する根本的な限界があるため、深紫外線波長領域で使用できるLEDの実現が課題として残っていた。
キム・ジョンファン教授の研究チームは今回、黒鉛と同じバンデルワルス層状物質である「六方晶-窒化ホウ素」を活用した。この物質は単原子層の構造がグラフェンに似ていて外観が透明であることから「ホワイトグラフェン」とも呼ばれる。
窒化アルミニウムガリウムとは異なり深紫外線領域で明るい光を出し、深紫外線LED開発に使用できる新素材とされた。しかし、大きなバンドギャップ(半導体や絶縁体に拘束された電子が抜け出す最小限のエネルギー)のため、電子と精工を注入するのが難しく、LEDで作ることはできなかった。
このため、グラフェン、六方晶-窒化ホウ素、グラフェンが積もったバンデルワルスヘテロナノ素材を基盤とするLED素子を製作し、実際に素子が深紫外線を強く放つことを、深紫外線分光装備を通じて確認した。
この研究結果は世界的に権威のある学術誌「ネイチャーコミュニケーションズ」最新号に掲載された。
キム・ジョンファン教授は「新しい波長領域で高効率LED新素材開発はこれまでになかった画期的な光素子応用分野の開拓に出発点になる」とし「この研究結果は次世代新素材として注目されているグラフェン、六方晶-窒化ホウ素を利用し、初めて深紫外線LEDを実現したという点でその意義がある」と述べた。
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