Kバッテリー、中国との競争で判定勝ち…シェア拡大に向け品質など課題

LGエナジーソリューションやサムスンSDI、SKオンなど韓国電気自動車(EV)バッテリー3社が、新年のグローバル市場をリードするという野心にあふれている。韓国メディア「エナジー経済」が報じた。

Kバッテリー3社はこれまでの投資で実を結び、今年、中国との競争で「判定勝ち」を収めたと評価されている。莫大な資金をつぎ込んできたバッテリー事業は、グローバルシェアが拡大し、収益を出す段階に差し掛かっているという意味合いだ。

実際、Kバッテリー3社は、コロナ19の影響の中でも投資拡大に打ち込んできた。これから本格化する電気自動車市場に備えた生産能力を備えるためだ。3社とも米自動車メーカーと合弁会社を設立し、北米への投資を開始するなど、早いテンポで動いている。

特に、電気自動車のリコールで浮き彫りになった品質への懸念と共に、自動車メーカー各社はバッテリーの内製化に拍車をかけるなど、不確実性は残っている。

業界が26日に明らかにしたところによると、グローバルエネルギー情報分析機関であるS&Pグローバルプラッツは今月16日、報告書を通じて「韓国が先進的な技術力と持続的な投資に支えられ、今後3~4年間、世界の電気自動車バッテリー市場を先取りするだろう」と分析した。会社側によると、今年1月から5月までの電気車向けバッテリー市場で、韓国国内メーカーのシェアは33.5%水準だ。

今年は特に、Kバッテリーの善戦が目立った。韓国企業3社のシェアは1年前より2倍以上成長したことが分かった。SNEリサーチによると、中国を除いた市場でLGエナジーソリューションは、今年1月から5月までの使用量基準で35.5%のシェアを占め、トップの座を固めた。2位の日本パナソニックを除けば、3位はサムスンSDI、4位はSKイノベーションで上位圏を席巻している格好だ。

シェア拡大には莫大な投資が裏づけされた。2025年までにLGエナジーソリューションは150ギガワット時(GWh)の生産能力を確保する方針だ。さらに、現代(ヒュンダイ)自動車と共にインドネシアに進出し、韓国内に続き北米、中国、ポーランド、インドネシアへと続く生産体系を備えることになった。今年10月に分社化したSKオンは2025年まで150.5GWhの生産能力を高める予定だ。サムスンSDIは、完成車メーカーのステランティスと2025年上半期まで、米国で23GWh規模の生産工場の建設を発表した。これを通じて、生産拠点は韓国内の蔚山(ウルサン)をはじめハンガリー、中国など4ヵ所に拡大される。

今年はバッテリー事業の収益性を上げるなど、長期的な成長基盤も築いた。LGエナジーソリューションは今年、ゼネラルモーターズ(GM)電気自動車「ボルトEV」火災による引当金にもかかわらず、今年の年間営業利益は約1兆ウォン(約963億円)を記録する見通しだ。サムスンSDIも今年、電気自動車バッテリー事業で年間黒字を記録するものと予想されている。車両向け半導体の需給難で販売が減少するという悪条件下で達成した好業績だ。

韓国バッテリー3社は新しい首長として各グループのトップの最側近を迎えた。グループ内での存在感を高め、グローバル事業感覚を備えたリーダーシップを基盤に、海外市場の拡大に乗り出すという方針だ。サムスンSDIとLGエナジーソリューションは今年、役員人事を通じ、チェ・ユンホ社長やクォン・ヨンス副会長を代表に任命した。両者は、総帥を補佐し、グループ全般を運営した経験がある人物だ。SKオンもまた、チェ·テウォン会長の弟のチェ·ジェウォン首席副会長を迎え入れて、既存のチ・ドンソプ代表とそれぞれ代表体制を構築した。

しかし、来年の経営環境も容易ではない。まだ市場が初期段階である以上、予想できなかった変化要因が「ゲームチェンジャー」として浮上する可能性がある。

バッテリー内製化が代表的な例だ。バッテリー自給自足に乗り出した自動車メーカーは警戒対象だ。テスラをはじめフォルクスワーゲン、トヨタ、GM、BMWなどバッテリー内製化を推進する企業数と速度も速くなる雰囲気だ。

バッテリーの品質問題も、必ず解決しなければならない課題といわれている。LGエナジーソリューションは、現代自動車に続き、GMに供給したバッテリーからも欠陥が見つかり、信頼度が下がった。引当金負担で今年中に予定されていた上場も延期しなければならなかった。昨年のサムスンSDIに続き、今年もリコール措置が相次ぎ、品質を巡る懸念が話題となっている。業界関係者は「韓国内バッテリーがプレミアムを武器に中国企業と差別化する状況で、品質に対する懸念は致命的と言える」と述べた。

参考記事:「電気自動車1位の市場をつかめ」欧州に旗を立てるKバッテリー各社
参考記事:韓国の正極材製造各社、LFPバッテリー製造に関しそれぞれ別の戦略模索
参考記事:半導体不足に加えて自動車原材料供給網も…Kバッテリー各社不安拡大

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