現代(ヒュンダイ)自動車グループが年明けに「全領域で電動化(electrification)体制への転換」を宣言した。環境にやさしい電気自動車だけでなく、バッテリー、先端素材などはもちろん、研究開発、生産、販売、顧客管理など全ての事業領域にわたるデジタル体制の確立に乗り出すのが中核だ。韓国メディア「デイリーカー」が報じた。
3日、現代車グループによると、今年に現代車のアイオニック6、ジェネシスGV70の電動化モデル、起亜(キア)のニロEVおよびEV6 GTの4種の電気車投入を確定した。
現代車グループは、今年発表した計画は、電気自動車のラインアップ拡大に留まらないと主張した。現代車グループのチョン・ウィソン会長は「完成車以外の事業部門でも力量を結集してシナジー(相乗)を出せるよう事業ポートフォリオとバリューチェーンを再整備する」とし「スマートシティ、スマート物流、新素材などの新しい成長動力を持続的に発掘して育てていく」と強調した。
特に、チョン・ウィソン会長は新年メッセージを通じて、ソフトウェア源泉技術の確保について強調した。このため、会社は今年、人材のフル確保や研究開発ネットワークの強化、コーディング大会や開発者カンファレンスなど、開発者を狙ったプログラムを拡大する方針だ。
チョン会長は「グループが追求する未来最先端商品の競争力は人工知能をはじめとするソフトウェアの源泉技術を確保するかどうかにかかっている」とし「優秀な人材がいる場所にAI研究所を設置して関連分野の力量を集中的に育成し、開放型プラットフォームを持続的に拡大して多様なアイディアを発掘して交流を活性化していく計画だ」と述べた。
同日、会社は未来モビリティ戦略も一部公開した。現代自動車グループは今年上半期、レベル4の自律走行車を活用したロボタクシー(ロボライド)、需要応答型モビリティサービス「シャックル」を基盤にしたロボシャトルなどのテスト運営に乗り出す。さらに、アイオニック5基盤の自律走行自動車を2023年に量産する計画だ。
昨年、現代車が買収したロボット専門企業のボストン・ダイナミクスは、サービスロボット「スポット(Spot)」の本格的な商用化に乗り出す一方、物流ロボットである「ストレッチ(Stretch)」を披露する計画だ。
スポットは最近、ボストン・ダイナミクスはもちろん、現代車グループも積極的に公開する四足歩行ロボットで、階段はもちろん多様な地形で自由に移動可能で倒れても自ら起きられるなど活用性の高いロボットだ。米マサチューセッツとニューヨーク警察がパトロール用にテスト運営して話題になったりもした。
ストレッチは、昨年10月に会社が公開した物流管理特化型ロボットだ。ロボットアームとビジョンカメラ、センサーなどで構成されており、顧客の要請を受け入れてロボットアームに多様な装備を追加できるのが特徴だ。会社が公開した実演映像では吸着用パッドを活用し、ロボットが25キロの重さの箱を運ぶ姿を確認できる。
都心航空モビリティ(UAM)の商用化に対する意志も明確にした。チョン・ウィソン会長は「移動領域と可能性を拡大するUAMは「最高の品質を備えた天上のモビリティソリューション」という意味を盛り込んだ「スーパーナル(Supernal)」ブランド哲学を土台に、2028年の商用化目標を問題なく準備していく」と付け加えた。
現代車グループは昨年、米国のUAM法人名を「スーパーナル(Supernal)」に決め、安全な機体開発とUAM商用化のための諸インフラ構築に拍車をかけている。韓国でもUAM機体とビジネスモデルの開発、UAM垂直離着陸場の建設、通信インフラおよびデータプラットフォームの構築など、UAM事業の成功的実現に向けて主要企業と緊密に協力している。
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