現代(ヒュンダイ)自動車が2030年まで米国市場でエコカー販売の割合を最大50%まで引き上げることにした。このため、米国内の電気自動車生産計画も可視化される。韓国メディア「エナジー経済」が報じた。(写真:エナジー経済)
ホセ・ムニョス現代自動車グローバル最高運営責任者(COO)兼北米地域本部長は、今月5日(現地時間)、記者懇談会を通じて「最近、最高のポートフォリオを保有していて、相当な競争力も確保している」とし「2030年まで米国市場でエコカー販売の割合を40∼50%まで引き上げるための十分な準備ができた」と明らかにした。
ムニョスCOOは、現代自動車が米国市場で躍進するしかない理由でスポーツユーティリティー車(SUV)競争力と電動化モデルの速い普及速度、ジェネシスを通じたラグジュアリーのイメージ強化などを挙げた。彼は「米国市場の最も重要なトレンドはSUV」とし「現代車はツーソン、サンタフェ、サンタクルーズなどの立派なポートフォリオを備えており、SUVの販売の割合が全体の65%に上る」と強調した。彼は「ハイブリッド(HEV)、プラグインハイブリッド(PHEV)、電気車(BEV)などのエコカー販売の割合が10%程度だが、昨年BEV販売量が前年比138%増えた」とし「ジェネシスは昨年より3倍以上販売が増加してBMW、アウディ、レクサスなどと肩を並べている」と強調した。
ムニョスCOOは自動車業界の最大の話題となっている電気自動車の販売と関連しては充電インフラの拡大が核心要素という点に共感しながら、このようなインフラが確保されたディーラーだけに電気自動車の販売を許容する計画だと明らかにした。彼は「現代車は顧客たちが、充電を容易にできるようにインフラの拡大のために大きな努力をしている」とし「バイデン米政府も50万か所の電気車充電所を構築すると述べただけに、エレクトリパイアメリカとコラボレーションを進めている」と説明した。彼はまた、充電インフラは今後水素自動車にも拡大する計画だと紹介した。
そして、「基準を満たしたディーラーだけがアイオニクを販売できるようにするだろう。基準の一つが『ディーラーが充電インフラを備えていなければならない』ということで、これによってディーラーたちが、充電インフラを提供することになるだろう」と伝えた。
ムニョスCOOは今後、現代車のアラバマ工場や起亜(キア)のジョージア工場で電気自動車を生産する可能性もほのめかした。彼は「ムン・ジェイン大統領訪米当時、現代車グループは2025年までに米国に74億ドルを投資すると明らかにした」とし「こうした計画にはUAM(都心航空モビリティ)やボストンダイナミックスなど今後の産業に対する投資だけでなく、米国内の電気車生産計画も含まれる」と述べた。
ムニョスCOOは「具体的な計画は立てているところですので申し上げることはできないが、一つはっきりしたのは、米国で電気自動車を生産するということ」と付け加えた。
電気自動車スタートアップのリビアンやルシードなどとの協力の可能性については「電動化によって、多くの会社が市場に進出し、テスラのようにすごい成功をなしたところもある」とし「このような会社らとパートナーになる可能性もあるため、引き続き状況をモニタリングしている」と答えた。
ムニョスCOOは、米国市場での最も大きな困難を問う質問に、半導体の需給難と物流難を挙げた。氏は、「ただ、本社の供給網管理や生産最適化により、より流動的な対処が可能になり、ライバル会社に比べ、生産物量の損失も少なかった」と自評した。新型コロナウイルス感染症(コロナ19)の拡散による工場シャットダウンにも生産工程の変更、生産可能な部品への調整などで柔軟に対処したというのだ。彼はまた半導体の独自生産については「独自の力量を育てている主要OEM会社のようにグループレベルで力を入れている」とし「私は現地生産部品を採用するのが重要な方法だと思う」と強調した。
現代車を日本のホンダと混同する消費者がいるなどブランドパワーがまだ弱いという指摘には「現代車グループは誇らしくもホンダを上回った」とし「本当に熱心だったのでトヨタの次に米国市場で2番目に大きいアジアブランドに成長した」と述べた。
彼はまた「ブランド強化のために私たちが活用するものの一つが韓国というブランド」とし「韓国は技術強国という強みがあるため、韓国と現代車は最先端技術でお互いのブランドを助け合っている」と付け加えた。
現代車・起亜は今年上半期にグローバル市場でエコカー累積販売台数が300万台を突破する見通しだ。
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