中国と日本中心に偏った半導体供給網リスクを解消するため、輸入先を多角化しなければならないという分析が出ている。米中葛藤が深刻化する場合、中国依存的な半導体供給網は「第2の尿素水」事態になるという指摘だ。また、半導体産業の発展のため、専門人材の養成の必要性も提起される。韓国メディア「時事ジャーナル」が報じた。(写真:時事ジャーナル)
ナノ技術研究協議会、大韓電子工学会、韓国半導体ディスプレイ技術学会の3機関は11日、ソウル瑞草区(ソチョグ)エルタワーで「ナノ・半導体総合研究所設立の妥当性検討産学研討論会」を開催し、半導体競争力強化案について論議した。
対外経済政策研究院のチョン・ヒョンゴン先任研究委員は講演者として、韓国半導体産業の供給網リスクと対応策について発表した。
同氏は「トランプ政権時代、通商戦争で始まった半導体競争が、今は技術覇権競争に拡大している。メタバース、自律走行車、ブロックチェーンなどの新産業が高度な半導体を必要としており、半導体供給網の確保は非常に重要な課題となっている」とし「半導体は経済的・産業的側面だけでなく安保面も強くなっている」と説明した。
半導体工程の輸入品目で対中・対日依存度が高く、これを再調整する必要性も提起した。対外経済政策研究院によると、半導体生産に必要な原材料であるガリウムの96%、タングステンの84%が中国から輸入される。半導体装備は、日本企業が市場を掌握しており、リスクが大きい方である。韓国の半導体装備製造業のシェアは2.2%に過ぎない。
チョン委員は「現在の全般的な構造を見ると、10年や20年前に比べ中国依存的な形に変わった。企業の反応を見ると中国や日本からの輸入依存度が輸出よりずっと重要だ」とし「こうした部分が今後も続けば、韓国の供給網には相当なリスクとして作用する可能性が高い」と指摘した。
チョン委員は、半導体供給網リスクに対する構造的な対応策として「供給先の多角化」を提示した。「米中対立後、高度化した半導体技術に接近するための中国の試みを米国が遮断している」とし「最先端技術は米国や同盟国が持つことになる」と見通した。半導体の核心技術を保有している国と供給網の協力を強化しなければならないということだ。
また「半導体産業は中国と連携して早い成長を遂げたが、今は一定部分のリバランシングが必要な時点のようだ」とし「大企業に比べて中堅・中小企業は供給網再編で在庫を確保する案を提示できずにいる。米中対立が深刻化する場合を前提にするなら、リバランシング問題を考えなければならない」と述べた。
また、半導体研究開発(R&D)人材養成については、「首都圏の大学は定員総量制があり、他学科の人員を減らさなければ人材育成が難しい部分がある。半導体専門大学院などは特別法により積極的に拡大してほしい」と提案した。
浦項(ポハン)工科大学のイ・ビョンフン半導体技術融合センター長(電子電気工学科教授)は、「半導体産業が激変期に入った」と述べ、技術開発の重要性を強調した。
同氏は「半導体とナノ技術を融合する異種集積技術を土台に半導体産業は完全に新しいパラダイムに変わる」とし「1980年代の第1激変期に続き、現在現れている第2激変期の方向は誰が先に超電力を実現できるかということだ。特化した設計技術と高難度な異種集積製造技術が半導体産業の核心的な競争要素になると思う」と述べた。
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