「高収益事業に集中」サムスン電機チャン社長、次世代基板へ積極投資

ここ数年間赤字が続き、グループ内でも厳しい評価にさらされていたサムスン電機のパッケージソリューション部門が「白鳥」に変身中だ。高成長が期待される次世代基板FC-BGA(フリップチップ・ボールグリッドアレイ)への投資に拍車をかけてからだ。韓国メディア「マネートゥデイ」が報じた。(写真:サムスン電機チャンドクヒョン社長=マネートゥデイ)

7日、関連業界によると、サムスン電機は先月28日、ベトナム生産法人に約3200億ウォン(約303億円)を投資し、該当融資金をFC-BGAの生産拡大に使うと明らかにした。昨年12月、FC-BGA設備およびインフラ構築に9億2000万ドル(約1兆1078億ウォン、約1050億円)を投資することに決めてから、わずか3ヵ月しか経っていない。これで総投資金額は1兆4000億ウォン(約1326億円)を超える。昨年末に就任したサムスン電機のチャン・ドクヒョン社長が「選択と集中」を強調し、次世代動力とされるFC-BGAへの投資をリードしていることが分かった。

これまでサムスン電機の業績に大きく貢献したのは、主にMLCC(積層セラミックコンデンサ)だった。基板を担当するパッケージソリューション部門は、2014~2018年の間だけで5年間損失を出し続けた。しかし、今回、兆単位の投資に乗り出すなど、パッケージソリューション部分が新しい成長エンジンとして早く定着しつつあるという分析だ。ベトナムの新規投資の件が2023年に本格稼動に入ると、FC-BGA部分だけで年間5000億ウォン(約474億円)以上の売上増加が予想される。

サムスン電機がFC-BGAを未来の成長エンジンに育てる背景には、技術力に対する自信がある。FC-BGAは、半導体チップをメイン基板と連結させる半導体用基板で、半導体基板の中で最も作りにくい。半導体チップと基板をワイヤで連結する従来の方式と違い、バンプを裏返して連結しなければならないため、高い技術熟練度が必要だ。参入にはハードルが高いため、需要が供給より高い現象が長く続いている。

サムスン電機が長い間基板事業を行ってきており、微細回路パターンや次世代パッケージなど蓄積された技術力量を備えているだけに、事業進出に容易だったという分析だ。

米電子産業コンサルティング会社のフリーマークによると、昨年、パッケージ基板市場の売上規模は計122億ドル(約1兆4072億円)と、前年度比19%成長した。このうちFC-BGAが47%を占め、市場成長を牽引した。業界はFC-BGA供給不足現象が2026年まで続き、需要は年平均14%以上成長すると予測した。FC-BGAは、AI(人工知能)や5G(第5世代モバイル通信)、自律走行車など、高性能半導体が必要なところに主に使われているだけに、コロナ19(COVID-19)以降、デジタル化が急進展し、需要はさらに増大した。

業界関係者は「市場が大きくなった際、サムスン電機がスピード投資を行えたのは技術力が基盤になっていたため」と述べた。

大規模な投資と共に、サーバ向けFC-BGA市場への進出を受け、製品の高度化にも拍車をかけている。アン・ジョンフン サムスン電機パッケージ支援チーム長(常務)は、今年1月に開かれた昨年第4四半期の業績発表カンファレンスコール(電話会議)で、「ベトナムへの投資の件とは別に、高付加のサーバ向けのFC-BGAの開発を進めており、下半期の量産を推進している」と述べた。

キウム証券のキム・ジサン研究員は、昨年に5700億ウォンだったサムスン電機のFC-BGA売上が、「2024年には1兆1000億ウォン(約1042億円)に倍増する」との見通しを示した。

パッケージソリューション部門の成長ドライブはすでに始まっている。昨年第4四半期基準のパッケージソリューション部門の売上は、計4789億ウォン(約454億円)と、前四半期比9%、前年度同期比38%成長した。MLCC(積層セラミックコンデンサ)を担当するコンポーネント部門、カメラモジュールを担当する光学通信ソリューションなどの3事業部門ともに前年度比で成長したが、前四半期比で成長したのはパッケージソリューション部門だけである。

昨年第3四半期基準の全体売上で、各事業部門が占める割合は、コンポーネント部門が47.83%、光学通信ソリューション部門が32.41%、パッケージソリューションは19.76%だった。サムスン電機はFC-BGAを筆頭にパッケージソリューション部門の強化に乗り出し、どれひとつ偏らない八方美人に生まれ変わるという抱負だ。

チャン社長は就任後、今年初の仕事始めで「トップのテック企業」、「超一流の部品企業」を目標に掲げた。チャン社長はFC-BGA事業投資について「半導体の高性能化と5G・AI・クラウド拡大で高性能半導体パッケージ基板が重要になり、需要が増加している」とし「サムスン電機は差別化された技術力を基に半導体パッケージ基板を開発し、顧客に価値ある経験を提供する」と述べた。

参考記事:韓国、PCB分野でも内製化目指す…半導体基板・設備の国産化「加速」
参考記事:サムスン電機、独ボッシュから自動車向けMLCCでグローバル認証受ける

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