韓国材料研、5G電磁波を90%以上吸収する複合素材を世界で初めて開発

韓国政府の出資研究機関である韓国材料研究院(KIMS)機能複合材料研究室のイ・サンボク、パク・ビョンジン博士研究チームが、5G通信用電磁波を90%以上吸収する極薄の複合素材フィルムを世界で初めて開発した。同技術は、5G通信の高いギガヘルツ(GHz)周波数の使用環境でも2次干渉問題を解決したものだ。韓国メディア「nocutnews」が報じた。(写真:韓国材料研究院提供)

電子部品から発生する電磁波ノイズは他の電子部品に干渉し性能低下を生じるため、遮蔽(しゃへい)素材を用いてこれを防ぐことになる。従来の反射遮蔽素材は金属、炭素など高伝導性の素材で電磁波を90%以上反射する方式で遮蔽し、実際の吸収率は10%に達しない。5G通信は、既存の3G・4Gの周波数より10倍以上高い26ギガヘルツ(GHz)以上の周波数が使用されるが、通信周波数の上向きによる2次干渉問題で電磁波吸収や除去が可能な吸収シールド素材を要求することになる。

研究チームは、5G通信周波数で優れた吸収性能を示す磁性素材と高分子を混合した複合素材フィルムに伝導性繊維をグリッド(Grid)形に裁縫し、吸収シールド素材を作った。これを通じて反射率は1%以下でありながら、吸収率が90%以上の電磁波吸収シールド素材を開発した。この素材は研究チームによって10回以上しわくちゃにされたり折りたたんで広げたりした時に性能の低下がないほど薄く柔軟な特徴を持っている。

電磁波吸収シールド素材技術は5G・6G通信が活用されるスマートフォン、基地局(スモールセル)、自律走行自動車レーダー、低軌道通信衛星アンテナなど多様な分野で活用できる。特に5G・6G帯域の吸収シールド素材は高次元の物性設計技術が求められる新素材で、商用化に成功した会社は世界的にも米国、ドイツ、日本など2~3社にすぎない。今回の技術開発により、国産化による今後の輸入代替効果はもちろん、海外への輸出も可能になるものと見込まれる。

研究責任者のイ・サンボク責任研究員は「今回の研究で開発された素材は伝導性グリッドを活用し、電磁波の反射なしに電磁波の大部分を吸収するという極薄の素材概念を新たに提示したことに意味が大きい」とし「この技術が無線通信機器だけでなく自律走行自動車レーダーなどに採用される場合、今後自律走行の信頼性を大きく高めることが期待される」と述べた。

この研究成果は科学技術情報通信部の支援を受けて、韓国材料研究院の主要事業「磁性素材基盤極高周波吸収擬似メタ物質技術開発課題」と国家核心素材研究団(特化型)事業「ミリメートル波吸収・遮蔽・放熱特性適合型複合素材源泉技術開発課題」を通じて行われた。また、イギリスの王立化学会が発行する材料科学分野の著名学術誌『材料化学ジャーナルA(Journal of Materials Chemistry A)』に2月28日付で掲載された。

参考記事:韓国材料研、電気自動車バッテリー放熱新素材開発など「素材·部品·装備」の成果を披露
参考記事:韓国政府、5大素材・部品・装備の特化団地育成に2兆6,000億ウォン投入

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