日本と中国が独占しているレアアースの永久磁石を、韓国の国内技術で開発することに成功した。高価なレアアースの使用量を減らし、商用磁石の性能を出すことができ、高効率モーターが求められる電気自動車、ドローン、電気船舶などに活用できるようになった。韓国メディア「デジタルタイムス」が報じた。(写真:韓国材料研究院)
韓国材料研究院は29日、イ・ジョング、キム・テフン博士の研究チームが高価なレアアースネオジム(Nd)の使用量を30%減らしたにもかかわらず、商用磁石(42M等級)水準の性能を実現できる「レアアース低減型永久磁石素材」を開発したと発表した。
ネオジムは高価で需給が非常に不安定だが、レアアースの永久磁石の性能実現に欠かせない。ネオジムを少なく使う永久磁石を開発するためには、ネオジムの含量を減らす代わりに、低価のセリウム(Ce)含量を増やさなければならないが、この場合、磁石の磁気的特性が悪化する。
研究チームは、従来の工程の代わりに非常に速い冷却速度で工程が可能なメルトスピン法と熱間変形法をレアアース低減型前駆体と永久磁石製造に採用した。
その結果、磁石内の不要な磁性粒子の形成を抑え、微細構造を最適化することに成功した。併せて、永久磁石の主要特性である残留磁化と保磁力を同時に向上した。この研究結果は金属材料分野の国際学術誌「スクリプター・マテリアルリアー」(17日付)に掲載された。
材料研究院のキム・テフン博士は「国内のレアアース永久磁石素材分野が持つ資源問題と素材・部品・装備問題を同時に解決する技術開発の成功例になるだろう」と述べた。
一方、レアアース永久磁石分野の国内市場規模は2021年基準で年間1860億ウォン(約188億円)で、全量をほとんど海外から輸入している。
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