韓国の大統領職引継ぎ委員会(引継ぎ委)が半導体産業強化対策を講じるという意志を示した。ユン・ソクヨル次期大統領が公約した「半導体超強国」実現の次元だ。
12日、引継ぎ委のキム・ギフン副報道官は同日のブリーフィングで、「経済第2分科は半導体産業の経済的重要性と供給網の安保などを考慮し、『半導体の超格差確保のための支援策』を検討中だ」と明らかにした。韓国メディア「Digitaldaily」が報じた。(写真:大統領職引継ぎ委員会ブリーフィングの様子)
現在、半導体分野は第4次産業革命の拡散で、未来の国家競争力の核心要素として浮上している。主要国間の覇権争いで産業安保のための必須品目として挙げられている。
昨年基準の国内輸出の20%(1280億ドル、約16兆582億円)を半導体が担当した。製造業の半分以上(55兆4000億ウォン、約5兆6168億円)の投資が半導体分野にて行われた。
キム副報道官は「これまで日本の輸出規制などに対応し、供給網の安定化、ASMLなどの韓国内投資誘致、国家先端戦略産業特別法の制定などを推進してきたが、依然として企業は人材確保の難航、競争国に比べて低いインセンティブ、システム半導体競争力の脆弱性などを指摘している」と強調した。
続いて「主要国は半導体を国家安保資産として管理している。企業間競争ではなく「企業+政府」連合間競争時代に突入した」とし、政府レベルの解決策を提示した。
引継ぎ委は、▲慢性的な人材難対策作り、▲半導体受託生産(ファウンドリ)生態系支援の拡大および半導体設計(ファブレス)企業の成長促進、▲半導体工場増設規制の解消とインフラおよび研究開発(R&D)関連インセンティブの拡大、▲先端技術保護および戦略的半導体供給網協力体系の強化などを打ち出した。
具体的に引継ぎ委は、非専攻学生を対象に半導体専攻に転換する教育を実施する予定だ。素材・部品・装備(素・部・装)契約学科の拡大案も論議中だ。システム半導体育成のための予算増大、税制優遇の拡大なども実施される見通しだ。
新規生産ライン構築関連許認可問題を最小化するため、産業団地造成の際、これを担当する省庁を一元化する計画だ。地域住民との葛藤解消策としては地方税収入共有などの方式が考慮されているという。さらに、米国をはじめ主要国と半導体同盟を強化するための対策も模索している。
キム副報道官は「(関連事案は)今後議論を通じて確定していく予定だ」と伝えた。
一方、ユン次期大統領は科学技術情報通信部長官候補にソウル大学のイ・ジョンホ半導体研究所長を指名した。イ所長は半導体産業の育成はもちろん、R&D分野の10万人の人材養成目標を現実化する適任者とされる。
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