サムスン電子、下半期に普及版スマホに「エクシノス」搭載…APシェア拡大へ

サムスン電子が今年下半期、アプリケーションプロセッサー(AP)シェアの拡大に乗り出す。全世界で最も売れている中低価格帯スマートフォンシリーズに自社APを搭載することでシェアを増やすという戦略だ。韓国メディア「sporbiz」が報じた。(写真:サムスン製APエクシノス=サムスン電子)

17日、業界によると、サムスン電子が最近発売した普及型スマートフォン「Galaxy A53」と「Galaxy A33」に独自設計した5ナノAPエクシノス(Exynos)1280が搭載されたという。

エクシノス1280は中・高級新製品APで、サムスン電子ファウンドリ工場で製造され、仕様はメディアテックのディメンシティ900と類似していると業界は推定している。

Galaxy A53とGalaxy A33は、サムスン電子がフラッグシップ空白防止のため、先月にアンパックイベントを通じて公開したモデルで、全世界に順次発売する予定だ。Galaxy A33は今月8日からアマゾンインドとサムスンインドのオンラインストアを通じて販売を開始した。業界はGalaxy Aシリーズの販売量がエクシノスの競争力を高めるのに影響を及ぼすものと見ている。

Galaxy MとFシリーズにもエクシノスが導入される。サムスン電子は最近、インドでGalaxy M33 5Gを発売した。エクシノスを搭載したスマートフォンやタブレットなどのモバイルデバイスはほとんどサムスン電子の製品だが、中国スマートフォンメーカーのVIVOも一部スマートフォンに導入した。

ITメディアのサムモバイルは「5ナノエクシノス1280プロセッサーはCPU(中央処理装置)、GPU(グラフィック処理装置)中心作業でいずれも回復が早く、すべての作業を遂行する際の電力効率も高い」と評価した。

市場調査会社のストラテジー・アナリティクス(SA)は、「サムスン電子システムLSI事業部は、主要顧客企業であるサムスン電子MX事業部がクアルコムやメディアテックなどへ供給網を拡大し、AP出荷量が減った」としながらも、「ただし、サムスン電子が中低価用AP新製品のエクシノス1280で、今年下半期からは市場シェアを回復するだろう」と見込んだ。

APはスマートフォン頭脳の役割をするチップで、CPU、GPU、5G通信チップなど製品動作に必要な核心機能を集めた統合半導体だ。

SAによると、2021年、世界のモバイルAP市場規模は308億ドル(約37兆ウォン、約3兆8948億円)を記録した。これは前年比23%増加した数値だ。昨年、全世界APシェアは米クアルコムが37.7%で1位だ。2位はメディアテック(26.3%)で、アップルとサムスン電子はそれぞれ26.0%、6.6%のシェアでその後を継いでいる。

最も売れたアンドロイドスマートフォンAPは、クアルコムのスナップドラゴン888・888+、スナップドラゴン765・765G、スナップドラゴン750Gとメディアテックのディメンシティ700だ。

今年、サムスン電子ファウンドリ事業部は業界初の3ナノ工程を導入したエクシノスを量産し、シェアを高めていく計画だとサムスン電子側は伝えた。

業界関係者は、「サムスン電子が業界最高水準のファウンドリ技術力を保有しているだけに、AP市場でも先頭企業として参入する可能性が高い」とし、「サムスンエクシノスがAP市場で競争力を備えるためには、高性能チップに発展していかなければならない」と助言した。

参考記事:サムスンスマホの「頭脳」エクシノスの屈辱…Galaxy S22FEに台湾APを搭載
参考記事:窮地に立たされるサムスン・エクシノス、「6年ぶりに初めて1億台未満」
参考記事:台湾メディアテックの格安AP攻勢にサムスンのエクシノスは「冷遇」扱い

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