韓国経済が不況の中でも物価が上昇する「スタグフレーション」に陥る可能性が大きくなく、景気浮揚よりは物価安定政策に優先順位を置かなければならないという提言が出てきた。
韓国金融研究院のチャン・ミン先任研究委員は5日「韓国経済のスタグフレーション進入の可能性と政策的示唆点」という報告書でこのように明らかにした。韓国メディア「グローバル経済新聞」が報じた。(写真:ソウル市内の市場の様子=聯合ニュース)
原文記事:https://www.getnews.co.kr/news/articleView.html?idxno=586737
チャン研究委員は「今後、韓国経済に景気低迷と高い物価上昇が同時に現れる可能性は限定的」と話した。
同氏は、4%を超える高いインフレは来年まで続くだろうと見込んだ。
過去のスタグフレーションが激しかった1970年代とは異なり、現在の中央銀行が物価安定のために積極的に通貨政策を展開しているという点を予測の根拠として提示した。
また、現在の原油価格の上昇幅が短期間で4倍ずつ上がった過去の石油ショックに及ばず、原油価格が実質価格基準で1980年や2008年の3分の2水準であることを考慮すれば、物価衝撃の程度が過去より大きくないとも付け加えた。
物価を抑えるために政策当局が強力な通貨緊縮政策を使うが、これにともなう景気鈍化はインフレと時差を置いて現れると分析した。
チャン研究委員は「現在、潜在水準を上回る成長傾向を見せている実物経済は次第に鈍化する可能性が高い」とし「景気不況は来年以後本格的に進行できるものと見られる」と明らかにした。
続けて「政策当局が景気鈍化の可能性を憂慮してインフレに積極的に対応しなければ、過去1970年代のようなスタグフレーションを招く危険を増大させることになる」とし「景気と物価という二兎を一度に捕まえようとするよりは、先に急速に進行するインフレに対応しなければならない」と主張した。
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