最近、需要が急増した8インチ(200㎜)ウェハー(半導体素材用原板)基盤のファウンドリ(半導体委託生産)の人気が弱まる見通しだ。パソコンとテレビなどの家電とIT需要がいずれも減少し、ディスプレイ駆動チップ(DDI)とカメライメージセンサー(CIS)、電力管理半導体(PMIC)などに使われる8インチファウンドリ需要が減少するものと予想されるためだ。韓国内メーカーも下半期以降、ファブ稼働率などで影響を受けるだろうという懸念も出ている。韓国メディア「ブリッジ経済」が報じた。(写真:ウェハーを持つ研究員=韓国電気研究院)
原文記事:https://www.viva100.com/main/view.php?key=20220710010002212
10日、業界によると、8インチファウンドリ工場の下半期稼働率は最大90%まで下がる見通しだ。市場調査機関のトレンドフォースは特に、パソコンなどの消費者向け半導体製造8インチファウンドリ・ファブの下半期稼働率が90%台を下回る可能性もあるとも見込んでいる。一部のグローバル8インチファウンドリ工程に対する注文取り消しも現れているというのが該当企業の説明だ。景気鈍化の影響で家電とIT製品の需要が減少し、8インチファウンドリ工程で生産されるDDI、CIS、PMICなどの部品需要と供給量が減ったためだ。
これまで8インチウェハーベースのファウンドリは増えたIT需要に基づいて短い好況を謳歌したことがある。アンタクト基調とそれにともなうIT需要拡大でDDIとCIS、PMICなどに対する需要が急増し、8インチファウンドリ生産と需要も比例して増加した。国内の8インチウェハーメーカーも、今年上半期まで100%近い工場稼働率を記録している。金融監督院の公示によると、今年第1四半期のDBハイテックのファブ稼働率は98%水準を記録している。DBハイテックは主に8インチウェハー中心の半導体を委託生産するファウンドリメーカーだ。昨年基準で売上1兆2000億ウォン(約1254億円)、8インチファウンドリの生産能力は月14万枚水準を達成した。8インチウェハーを製造・生産するSKシルトロンの稼働率も第1四半期基準で100%に達する水準だ。
これを受け、SKハイニックスなど一部メーカーの場合、8インチファウンドリメーカーなどに対する買収合併などを通じて生産能力を拡大した。買収を通じてSKハイニックスはSKハイニックスシステムICの月間8インチウェハー生産量である10万枚に加え、キーファウンドリの9万枚で月当たりの8インチファウンドリ生産能力を2倍近く増やした。
国内業界は市場の変化にも関わらず、直ちに8インチファウンドリ稼動率が減少するなど、可視的な影響を受けることは難しいと見ている。DBハイテックやSKハイニックスシステムICなどの会社はすでに今年初め、年間ファウンドリ物量に対する受注物量を全て確保している状態だ。
ただ、下半期以降、持続的な需要減少が進む場合、注文と稼働率に影響を与えかねないという立場だ。業界関係者は「国内を含むファウンドリ需要もまだ多く、中国ファブレスなど潜在的な顧客会社もあり、まだ体感しにくいが、8インチに対する人気が一時的な現象であるうえに家電とパソコンなどの需要が現在のように継続的に大幅に減ると基底効果で来年から注文量と稼動率が減るなど一部影響を受ける可能性が高い」と明らかにした。
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