半導体サプライチェーン問題解決に乗り出した米国政府が韓国政府に「チップ4同盟(東アジア半導体サプライチェーンネットワーク)」参加を要請し、今年8月までに確答を要求した。中国を牽制しようとする意図が溶け込んでおり、米中間に挟まれた国内半導体業界の本音が複雑になっている。韓国メディア「MTNニュース」が報じた。(写真:半導体生産ライン=Newsis)
原文記事:https://news.mtn.co.kr/news-detail/2022071513330591992
チップ4同盟は米国と韓国、台湾、日本など4ヵ国が含まれており、半導体協力を拡大するために米国政府が提案したサプライチェーンネットワークだ。半導体設計に強い米国と日本の設備・素材、韓国・台湾の生産能力を土台に協力を強化しようという趣旨だ。同時に中国の「半導体崛起」を牽制しようとする性格が濃いのも事実だ。
外交筋によると、米政府は韓国政府にチップ4同盟に参加するかどうかを今年8月末までに知らせてほしいと要請したという。韓国政府は米国とサプライチェーン協力次元で議論を続けているが、決まったことはまだないという立場だ。
チップ4同盟への参加は、中国の強い反発を招く可能性が高い。中国を排除した協力チャンネルであるうえに、中国が国家と認めない台湾が含まれたためだ。現在、中国と対峙する日本と台湾は、米国の要求に肯定的だという。
韓国内の半導体業界は再び米中間に挟まれたサンドイッチ状況に置かれた。国家安保資産として浮上した半導体をめぐる米中覇権競争は日増しに激しくなる様相だ。韓国としては最大の覇権国であり、韓国企業がアップルやNVIDIAなど米国の半導体企業から委託生産をしているだけに、米国が主導するサプライチェーン再編に参加しないのは容易ではない。半導体輸出の60%以上を担当する最大市場である中国とにらみ合うのも少なくない負担だ。サムスン電子とSKハイニックスの両社ともに中国に生産施設を置いており、報復措置が伴うのではないかと懸念されるためだ。
産業研究院のキム・ヤンペン研究委員は「主要市場である中国が需要先として韓国に重要なのは事実だが、製品を作るための源泉技術も非常に重要だ」とし「技術を持っている米国の要求を全く無視できない現実的状況をよく考慮しなければならない」と述べた。
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