グローバル自動車メーカー各社が走行距離(燃費)や充電時間を前面に出して無限競争を繰り広げ、電気自動車(EV)市場が急激な進化を続けている。電気自動車の技術力が発展し、主要量産モデルの走行可能距離は延び、充電時間は短くなり、内燃機関車との競争力も大きく高まり、「電気自動車の大衆化」に拍車がかかっている。韓国メディア「エナジー経済」が報じた。(写真:現代EVアイオニック6=現代自動車)
原文記事:https://www.ekn.kr/web/view.php?key=20220717010002733
17日、業界によると、現代(ヒュンダイ)自動車は年内に発売予定の「アイオニック6」のフル充電時の走行可能距離が524kmを達成したと、最近明らかにした。市場の期待値を超えた数値で、現在販売中のセダン型電気自動車の中で最高水準だ。
電気消費効率(電費)を大幅に引き上げた戦略が功を奏したものと分析される。現代自動車のアイオニック6は、18インチ後輪モデル基準で6.2km/kWhの電費を記録した。電気自動車専用プラットフォームであるE-GMPを採用し、空気力学的に完成したデザインを基盤に成果を出したというのがメーカー側の説明だ。
業界では充電後、500km以上走る電気自動車が登場しているという点に意味を付与している。ソウルから釜山(プサン)まで十分行ける距離で、充電に対する負担を大幅に減らすことができるからだ。電気自動車はドライバーの習慣によって効率性を大幅に引き上げることができるという特徴もある。
今月15日に発売された現代自動車アイオニック5の年式変更モデルも、走行距離が従来の429kmから458kmに伸びた。ロングレンジモデルのバッテリー容量を拡大したおかげだ。現代自動車の関係者は「アイオニック5は伸びた走行距離とバッテリーコンディショニング基本搭載で強力な商品競争力を確保した」とし、「激しい電気自動車市場で先頭に立つため、持続的に電気自動車の核心力量を育てる」と述べた。
韓国内で販売中の電気自動車の走行可能距離は速いスピードで伸びている。4~5年前までは200kmを越えれば競争力を備えたという評価を受けたが、最近は常温基準で400kmが「標準」に変わる姿だ。これは韓国産業省の認証基準だ。産業省の認証は、輸入車ブランドが主に広報する欧州認証(WLTP)に比べて難しい方だ。アイオニック6の場合、WLTP基準では6~10km以上走ることができると観測される。
主要車種の走行可能距離はジェネシスGV60スタンダード2WD 470km、起亜(キア)EV6ロングレンジ2WD 483km、双龍(サンヨン)自動車コランドエモーション 307km、シボレーボルトEV 414km、テスラモデル3スタンダード 363km、ベンツEQA 302km、BMWi4 444kmなどだ。
充電速度も速くなっている。従来比電圧の高い充電方式を活用することになり、時間を減らしたのだ。超急速基準で現代自動車のアイオニック5とアイオニック6、起亜EV6、ジェネシスGV60などは18分で10%から80%まで充電が可能だ。双龍自動車のコランドエモーションの超急速充電所要時間は33分だ。
車両の外部に220V一般電源を供給するV2L機能を採用し、一般家庭で使用する電力と似た水準の3.52kVAの消費電力を提供するという点も、これらの電気自動車の特徴だ。
ただ、常温と低温でバッテリー効率が変わるという点は、まだ電気自動車メーカーが解決できていない宿題だ。電気自動車は内燃機関車のエンジンがなく、冬場に熱を出すのに多くの電力を消費する。現代自動車のアイオニック5も常温ではフル充電後429kmを走ることができるが、低温では364km程度しか行けないと認証された。
業界のある関係者は「充電インフラが増え、時間が減ったうえ、 バッテリー容量まで大きくなり、電気自動車に対する不便は大幅に減った」とし、「まだ内燃機関車に比べて充電料金がかなり安い方なので、(購入時)補助金の特典を考慮すれば、十分に購入を考慮できる水準」と述べた。
参考記事:Kバッテリー2社が「4680バッテリー」開発加速…従来比走行距離を16%向上
参考記事:EVの競争力は価格…安価な中国LFPバッテリーに韓国各社の対応が急がれる
参考記事:日本車ブランドも電気自動車を続々発売…韓国輸入車市場もEV競争が本格化