最近、韓国バッテリー素材メーカーとグローバル完成車メーカーとの契約ニュースが相次いでいる。完成車メーカーはバッテリーメーカーを経ずにバッテリー素材メーカーと連合戦線を構築し、コスト削減、独自のサプライチェーン確保に乗り出す傾向だ。韓国メディア「ブリッジ経済」が報じた。(写真:ポスコケミカル負極材工場全景=ポスコケミカル)
原文記事:https://www.viva100.com/main/view.php?key=20220731010007821
31日、業界によると、LG化学は米自動車メーカーのゼネラルモーターズ(GM)に今年下半期から2030年までに95万トン(t)以上のバッテリー正極材を供給することにしたと27日、明らかにした。GMと正極材供給のための包括的合意書を締結したLG化学は、今回の合意でGM高性能電気自動車(EV)約500万台分に入るバッテリー正極材を供給することになる。GMは確保した正極材をLGエナジーソリューションとの合弁法人である「アルティアムセルズ」で活用する計画だ。
正極材はバッテリーの容量、寿命など核心性能を決定する素材でバッテリー生産原価の約40%を占める。GMは電気自動車市場の拡大を受け、安定的にハイニッケル正極材の物量を確保するため、LG化学と手を組んだ。
LG化学がGMに供給する電気自動車バッテリー用NCMA(ニッケル・コバルト・マンガン・アルミニウム)正極材はニッケル含有量を90%以上に増やしてバッテリー出力を上げ、アルミニウムコーティングを採用して安定性を高めた製品だ。
LG化学は今回の合意を皮切りに、2025年までに北米現地化を推進する予定だ。安定した生産能力の確保を基に、GMとの長期的な協力関係も構築する計画だ。
GMと手を組んだもう一つの国内バッテリー素材メーカーはポスコケミカルだ。ポスコケミカルは今月28日、GMと約13兆7696億ウォン規模の正極材供給協約を締結したと明らかにした。来年から2025年までの3年間、ポスコケミカルは光陽(クァンヤン)工場で生産したハイニッケル正極材をアルティアムセルズに供給する。
今回の供給契約はポスコケミカルの追加受注だ。これに先立ちポスコケミカルは今年5月、GMとカナダのケベックに設立した合弁会社アルティアムカムを通じて年産3万トン工場で生産した正極材を2025年から8年間アルティアムセルズに供給する契約を締結している。昨年の原料価格を基準に8兆389億ウォン(約8236億円)規模に達する契約だ。
今回の供給でポスコケミカルがGMに供給する正極材は、計21兆8000億ウォン(約2兆2335億円)規模を超えることになった。このため、光陽工場で年産6万トン、カナダ工場で年産3万トンを合わせた9万トンの供給体制を運営することになる。ポスコケミカルは今後、北米合弁会社にも生産ラインの増設を推進し、GMの電気自動車事業の拡大とこれに伴う受注に対応する予定だ。
ポスコケミカルの関係者は「今後、両社は北米合弁会社を中心に中間原料である前駆体工場、正極材工場増設と共に正極材・負極材に対する追加供給契約も締結するなど、電気自動車バッテリー核心素材のグローバルサプライチェーン構築のために協力を拡大していく計画」と述べた。
この他にも今年2月には電気自動車バッテリー核心素材を製造するソルース先端素材がテスラに二次電池用銅箔を直接納品することに成功した。銅箔はバッテリー負極材を包む薄い銅膜で厚さが非常に薄く技術力を必要とする素材だ。ソルース先端素材が供給する銅箔はテスラが直接生産する4680バッテリーに使われるという。
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