スマートフォン市場で活発に繰り広げられた「フォームファクター(製品形態)」競争が今やテレビとモニターをはじめとする映像機器市場に移った。全般的な家電需要が減る状況でも「自分のためのスクリーン」を探す新世代消費者が増えており、顧客経験を拡大してニッチ市場を確保するための次元だ。韓国メディア「News1」が報じた。(写真:LG電子「リベロ」モニタを壁面にかけて活用する様子=News1)
原文記事:https://www.news1.kr/articles/4754008
1日、家電業界によると、従来のテレビのデザインと機能からさらに進化した異形フォームファクター製品が最近活発に発売されている。
異形フォームファクタースクリーンの発売に最も積極的なのはLG電子だ。昨年7月に発売した移動型無線スクリーン「スタンバイミー」が連日ヒットを記録した後、フォームファクターを変形したテレビとモニター製品を着実に発売している。
先月中旬に市場に出てきた新概念移動型モニター「LGリベロ」は、希望する場所にモニターを持って移動し壁にかけたり、机に立てて使用できる製品で、「既存になかったデザイン」という点を主な特徴として掲げた。家、共有オフィス、ホテルなどの多様な場所を業務空間として活用する消費者を狙って製品開発が進行されたというのが会社の説明だ。
今年5月に発売された「LGデュアルアップモニター」もフォームファクター革新製品の一つだ。16:9画面比の21.5型モニター2台を上下に貼り付けた姿で、一つの画面でより多くの業務をしようとするマルチタスク中心の消費者のニーズを反映した。
プレミアムテレビ製品群でも定型化されたデザインから外れた新製品を出した。先月25日に発売された「OLEDオブジェコレクションフォーゼ(Posé)」が代表的だ。外観にはファブリック、裏面にはインテリア演出ができるデザインを加味し、通常壁や隅に設置していたテレビとは異なり、リビングの真ん中に設置できるというのが特徴だ。
サムスン電子も今年初め、どこでも好きなところで映像を流せるポータブルスクリーン「ザ・フリースタイル」を戦略製品として打ち出した。胴体を最大180度まで回転できるため、壁・天井・床にこだわらず最大100インチサイズの画面を実現できるという点で人気を集めた。
テレビ製品群でも家具との境界を崩したライフスタイル製品群「ザ・セリフ」、「ザ・セロ」、「ザ・プレミア」、「ザ・テラス」などの製品を披露し、関連市場を着実に開拓してきた。従来のテレビとは違う形をしており、額縁のような感じを演出してテレビを視聴しない時は芸術作品を鑑賞する用途に使えるというのが共通点だ。
これはサムスン電子とLG電子が今年に入って強力に推進中の「顧客経験強化」にともなう結果だ。消費者の個人の好みとライフスタイルの幅を既存の映像機器製品群だけでは包括できないということを両社が全て認識し、多様な大きさとフォームファクター製品を通じて細分化された戦略を展開しているのだ。
インフレと高金利による消費萎縮現象でテレビ市場成長の勢いが停滞する状況でもMZ世代を中心に「オーダーメード型スクリーン」需要は着実に創出されているということも企業が注目した部分だ。
業界関係者は「ライフスタイルによりオーダーメード型でコンテンツを扱い鑑賞しようとする消費者の需要は着実に右肩上がり中」とし「提供しなければならない顧客経験の幅も広くなっただけに、色々な形式のフォームファクター革新製品が持続的に登場するだろう」と述べた。
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