米政府が自国製最先端半導体製造装備に対する中国輸出統制措置を強化すれば、サムスン電子とSKハイニックスが最大の被害者になるだろうとロイター通信が1日(現地時間)報道した。サムスン電子は中国で2つの大型半導体生産工場を運営している。SKハイニックスは、米インテルNAND型フラッシュメモリチップの生産装備を使用していると、同通信が指摘した。韓国メディア「グローバルエコノミック」が報じた。(写真:SKハイニックスのメモリチップ=ロイター)
原文記事:https://www.g-enews.com/article/Global-Biz/2022/08/2022080204582595936b49b9d1da_1
米国商務省は自国内のすべての半導体装備メーカーに14ナノメートル(nm·10億分の1m)工程より微細な製造技術を採用した装備を中国に輸出するなという内容の公文書を送ったと米国メディアが前日に報道した。米政府は中国の中核半導体メーカーSMICに対し、「10ナノ」より微細な工程を採用する半導体装置の許可なく輸出できないよう制限した。
ロイターによると、米国はこれまで中国が軍事用に転用できる半導体チップの輸出を制限してきたが、国家安保の概念を拡大し、中国に対する広範囲な輸出統制措置を取っている。
米政府は、米メモリチップメーカーのウエスタンデジタル、マイクロンテクノロジーなどを保護しようとしていると、同メディアが指摘した。米2社のNANDチップ市場シェアは約25%だ。NANDチップはスマートフォン、PCとアマゾン、フェイスブック、グーグルのデータセンターなどで広範囲に使われる。
今年基準でNANDチップのグローバル市場シェアは中国が23%を超える。中国のシェアは2019年当時は14%にとどまった。米国のシェアは同期間に2.3%から1.6%に減少した。
米政府はオランダのASMLホールディング、日本のニコンなどにも中国に対する半導体装備の輸出を制限してほしいと要請していた。米政府が半導体装備の輸出制限をすれば、中国の核心半導体メーカーのSMIC、中国で運営している台湾半導体メーカーTSMCなども先端半導体装備の導入に困難をきたすだろうと、米マスコミが伝えた。SMICは現在14ナノ工程半導体を生産しており、中国内でTSMCが保有している技術は16ナノ工程に止まっている。
米議会は先月28日、米国の半導体産業に520億ドル(約68兆ウォン、約6兆8586億円)を直接支援し、税制優遇などを通じて計2800億ドル(約368兆ウォン、約36兆9307億円)を支援する内容の「半導体支援および科学法案2022」を可決した。米議会で可決された同法案によると、約390億ドル(約5兆1439億円)が米国内で半導体生産施設を新設、拡張、現代化する企業に提供される。残りの110億ドル(約1兆4509億円)は半導体研究、開発支援費として使われる。防衛産業関連半導体メーカーには20億ドル(約2638億円)が支援される。ただ、この支援金は自社株の買い入れまたは外国投資には使用できないようにした。半導体企業に対する税額控除の恩恵も同法案に明文化されている。半導体生産のための投資に対しては税額から25%を差し引くことにし、その恩恵規模が240億ドルに達すると米マスコミが報道した。
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