SKグループの2次電池分離膜生産企業であるSKIET(SKアイイーテクノロジー)がベトナム最大企業のビン(Vin)グループと手を握り、東南アジアおよび北米市場を同時に狙う。韓国メディア「中小企業新聞」が報じた。(写真:SKアイテクノロジーの職員が分離膜を点検している様子=SKIET)
原文記事:http://www.smedaily.co.kr/news/articleView.html?idxno=236308
SKIETは先月26日、ビングループの電気自動車(EV)バッテリー製造企業のVinES(ビンES)のパーム・トゥイリン社長、ブライアン・ケイト技術戦略ディレクターなどの経営陣がソウル鍾路区瑞麟洞(チョンノグ・ソリンドン)のSKIET本社と忠清北道曽坪(チュンチョンブク・トチュンピョン)工場を訪問したと5日、明らかにした。両社は今後、VinESがベトナム、米国などで生産する電気自動車バッテリーにSKIETの分離膜を優先的に供給する内容などの業務協約を最近結んでおり、今回の訪問は事業具体化議論のために行われた。
ビングループはベトナム最大の民間企業で、2017年にベトナム唯一で初の自動車メーカーであるビンファスト(VinFast)を設立し、2021年にベトナム初の電気自動車(VF e34)を発売するなど、現在ベトナムだけで年間25万台を生産している。最近は内燃機関車の生産を中止し、100%電気自動車の生産に集中すると明らかにするなど、関連事業に拍車をかけている。
ベトナム政府も電気自動車市場の拡大に積極的だ。電気自動車登録費免除、特別消費税減免の特典を出すなど、電気自動車への転換を急いでいる。
ビンファストは米国進出を公式化するなど、海外市場への攻略にも早いテンポで乗り出している。米ノースカロライナ州に20億ドル(約2兆6000億ウォン、約2668億円)を投資し、現地生産工場の設立を確定した。2024年稼動予定の米ノースカロライナ工場の生産量などを含め、今後年間約15万台の電気自動車生産目標を持っている。
SKIETと業務協約を結んだVinESは、ビングループがビンファスト電気自動車生産専用バッテリー製造のために作った会社だ。VinESはビンファストの安定したバッテリー供給網構築のために設立され、現在ビンファストがベトナム工場で生産する電気自動車にバッテリーを供給している。
今後、ビンファスト米国工場が設立されれば、米国でのバッテリー供給も引き受ける予定だ。ビングループとのコラボレーションが可視化される場合、ベトナムをはじめ東南アジア、米国など北米市場攻略にも弾みがつく見通しだ。
SKIETは高級湿式分離膜市場でグローバル先頭グループを占めている。SKIETは逐次延伸方式を使用し、分離膜の厚さを自由に調節しながらも均一な品質を実現した。これは世界で初めて開発された技術で、生産性と原価などの側面で有利な特徴を持つ。SKIETは韓国、中国、ポーランドに生産工場を保有している。
SKIETのノ・ジェソク社長は「電気自動車市場の成長傾向が高いベトナムの代表企業がSKIETと共に本格的な協力を議論することになり嬉しい」とし「SKIETの独歩的な技術力と安全性を知らせ、分離膜をはじめとする様々な事業機会の模索まで緊密な協力を続けていく」と述べた。
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