SKCの二次電池用銅箔事業投資会社のSKネクシリスが業界で初めて超高強度U電池箔生産技術を確保し、高強度銅箔製品のフルラインナップを構築した。韓国メディア「HelloT」が報じた。(写真:SKネクリシス銅箔生産の様子)
原文記事:https://www.hellot.net/news/article.html?no=70344
高強度銅箔は工程速度増加、製品容量増大など未来二次電池市場の要求に符合するようにより丈夫にした銅箔で、二次電池の価格競争力強化と高容量化に有利だ。
SKネクシリスは最近、業界で初めて65kgf/㎟の引張強度を持つ超高強度銅箔量産技術の確保に成功した。これは既存の標準製品より2倍以上の引っ張り力にも耐えることを意味する。今回の量産技術確保でSKネクシリスは引張強度40~65kgf/㎟範囲内の計4種に達する高強度銅箔のフルラインナップを備えることになった。
SKネクシリスは顧客企業の多様なニーズに応えるため、「B・E・S・T」銅箔製品群を保有している。多様な製品に広く使われる標準製品である「B(Battery)電池箔」、切れずに伸びる比率である延伸率を大幅に高めた「E(Elongation)電池箔」、引張強度を強化した「S(Strength)電池箔」、5マイクロメートル(μm)以下の極薄である「T(Thin)電池箔」などだ。今回追加したU(Ultra Strength)電池箔は、S電池箔よりも引張強度が高い。
SKネクシリスの高強度銅箔は高温でも物性が変わらずに耐えられる高耐熱性も備えている。SKネクシリスはこのような銅箔製品を髪の毛の1/30水準の4μmの厚さに1.3mの広幅、1ロール当たり最長30kmの長さで生産する技術力もすでに確保している状態だ。
二次電池負極材は銅箔に黒鉛、シリコンなど負極物質をコーティングする工程を経る。コーティング速度を速くし、温度を高めてコーティング物質の乾燥時間を減らすほど価格競争力を高めることができる。
しかし、銅箔が破れたりしわができるなどの不良リスクも同時に高くなる。高強度銅箔は高い引張強度と高耐熱性という特性を持っており、不良リスク減少、生産性向上に有利だ。
高強度銅箔はバッテリー高容量化傾向にも良いソリューションになる。薄い銅箔を採用すれば負極物質のコーティング量を増やしてバッテリー容量を増やすことができるが、同様に工程上不良リスクが生じる。高強度の銅箔を使用すると、このようなリスクが減少する。
SKネクシリスは銅箔の物性を改善するため、10年前から物性制御の核心である添加剤技術の開発に集中してきた。希望する物性を実現し維持する添加剤技術を高度化しながら画期的な引張強度、高耐熱性を持つ銅箔の開発に成功した。さらに、薄い厚さと広い幅、長い長さでも安定的に量産する銅箔製造ハンドリング技術を加え、多様な厚さの高強度極薄を生産できるようになった。
SKネクシリスの関係者は「電気自動車用二次電池の高容量化、生産性向上が重要になり、高強度銅箔市場も数年後には今より10倍以上急速に成長すると見ている」とし「たゆまぬ研究開発で高仕様、高品質製品を開発し、電気自動車および二次電池産業の発展に貢献する」と述べた。
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