アップル・メタ(旧Facebook)などグローバルビッグテック企業の拡張現実(AR)・仮想現実(VR)機器発売時点が近づくにつれディスプレイ業界の動きも忙しくなっている。メタバースが次世代産業として浮上している状況で、ディスプレイメーカーがメタバース機器市場を新たな市場として先取りに乗り出したのだ。韓国メディア「news1」が報じた。(写真:浦項工大でVR・ARの体験を行う学生の様子=news1 ※本記事の内容とは無関係)
原文記事:https://www.news1.kr/articles/4771956
16日業界によると、韓国国内主要ディスプレイメーカーのサムスンディスプレイとLGディスプレイはAR・VRをはじめメタバース機器用マイクロOLEDを開発中だ。
サムスンディスプレイのチェ・グォンヨン副社長は先月末、第2四半期の業績発表当時「未来成長潜在力が大きく先端ディスプレイ性能が要求されるメタバース市場を先取りするためにマイクロOLEDを開発中」と明らかにした。
LGディスプレイのチョン・ホヨン社長も今月10日に行われたK-ディスプレイ展示会で新市場領域の一つとしてメタバースを挙げた。先月はLGディスプレイがマイクロOLED工程のための蒸着機を発注した。
最近、主要顧客企業であるアップルがサムスンディスプレイとLGディスプレイにマイクロOLEDディスプレイパネルを要請したと伝えられたが、これに伴い開発に速度を上げるものと推測される。アップルは来年第2四半期の発売を目標に「ARヘッドセット」新製品を準備している。
現在AR・VR機器ディスプレイの主流はOLEDより安いLCDだ。
しかし、OLEDを搭載した機器の需要も増えている。OLEDは自発光特性のためにバックライトなどの追加部品が必要なくAR・VR機器を小さく軽く作れるというのが長所だ。応答速度もはるかに速く、高仕様ゲーム画面を実現するのに適している。
このような長所を考慮し、国内ディスプレイ業界はナノメートル(nm)単位の半導体微細工程を利用して高解像度を非常に小さい画面で実現する技術に焦点を合わせてマイクロOLEDを開発中だ。
AR・VR機器市場は現在開花段階でありディスプレイ搭載量が多い水準ではない。しかし、アップルARヘッドセットの発売を基点に市場が大幅に拡大するものと見られ、業界の期待感が大きい。現在メタ、サムスン電子、グーグルなどのビッグテック企業の大多数がAR・VR機器を開発している。
サムスン電子のハン・ジョンヒ副会長は今年2月、スペインのバルセロナで開かれた「MWC2022」展示会で「メタバースプラットフォーム機器をよく準備している」と明らかにした経緯がある。先月はサムスンリサーチVRラボの責任者としてメタの子会社であるオキュラスVR出身のユン・ガラム常務を迎え入れた。
ディスプレイ専門市場調査企業のDSCCはAR・VR機器ディスプレイの年間売上が今年の7億7800万ドル(約1兆137億ウォン、約1038億円)から2027年は93億ドル(12兆1179億ウォン、約1兆2402億円)に増えると見通した。市場規模が5年ぶりに12倍以上大きくなるという。
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