英国の主要経済メディアがグローバル電気自動車(EV)市場で急成長している現代(ヒュンダイ)自動車と起亜(キア)自動車に集中的にスポットライトを当てている。テスラとの競争構図をサムスン電子とアップルになぞらえて説明するなどしている。韓国メディア「エコノミスト」が報じた。(写真:現代自動車のEVアイオニック5=現代自動車)
原文記事:https://economist.co.kr/2022/08/24/industry/car/20220824115539247.html
フィナンシャルタイムズ(FT)は23日、オピニオン欄に「現代自動車・起亜自動車、グローバル電気自動車市場でテスラを猛追(Hyundai is catching up with Tesla in the global EV race)」という社説を掲載し、グローバル電気自動車市場で現代自動車・起亜自動車の競争力について分析した。
FTは「6月、現代自動車に対するイーロン・マスクの好評(doing pretty well)ツイートが掲載された時は、現代自動車・起亜自動車がテスラに深刻な脅威を与えるようではなかった」とし、「しかし、最近の販売台数推移を見ると変化が急速に進んでいることを示し、まるで2010年代のスマートフォン市場でアップルとサムスンの競争を見ているようだ」と評価した。
FTによると、現代自動車・起亜自動車は今年、米国市場でテスラに続き電気自動車販売台数2位を占め、欧州市場では電気自動車シェア12%を達成した。中国を除く世界の電気自動車市場で現代自動車・起亜自動車は14%のシェアを記録し、テスラ(27%)に次いで2位を占めた。
FTはテスラについて「電気自動車市場で10年以上1位を守っている同社の強みは『クールな』ブランドイメージと急速充電インフラ、持続的な遠隔ソフトウェアアップデートなど、様々な技術的部分から競争力に起因している」とし、「軽い組織構造による16%という高い営業利益率もテスラの強みの一つ」と説明した。
現代自動車については「株価がまだ最近の高い電気自動車販売台数と、これに伴う業績上昇を反映していないが、状況が急速に変化している」とし「今年7月に公開したアイオニック6は一回の充電で最大610kmを走行できる。これはテスラモデルYとモデル3ロングレンジモデルより長い走行距離」と評価した。
それと共に「アイオニック5は米国で最も多く売れた輸入電気自動車」とし「販売価格でもアイオニック6がテスラのモデル3と似たような価格帯を形成するものと見られる」と予想した。
FTは、このような状況がサムスン電子とアップルとスマートフォン競争を始めた時と類似した姿を見せると評価した。2010年、サムスン電子のスマートフォンのグローバルシェアは6%未満だった。しかし、Galaxyシリーズが発売されてわずか2年でサムスン電子はアップルのグローバルスマートフォンシェアを逆転し、3年ぶりにアップルの3倍まで成長した。
米政府が最近承認したインフレ削減法に関する言及もあった。FTは「インフレーション削減法による税金優遇対象電気自動車にテスラモデル4つがすべて含まれたが、現代自動車・起亜自動車は一つも名前を上げることができなかった」とし「しかし最近のバッテリー素材価格急騰状況に関して現代自動車は多少有利かもしれない」と分析した。
続いて「ウォン安で現代自動車は急騰したバッテリー素材費用を一部吸収できるものと見られる」とし「国内メーカーを通じたバッテリー需給により為替変動リスクを最小限に抑えることができる」と予想した。
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