現代(ヒュンダイ)自動車が今年初め、日本自動車市場の扉を再びノックした。2009年に市場から撤退してから13年ぶりのことだ。現代自動車は過去のブランド認知度はもちろん、グローバル販売台数でも大きく不足していたが、現在の状況は違う。起亜(キア)自動車と合わせた現代自動車グループの上半期の販売台数は史上初めてグローバル3位を記録し、自動車の本場である欧州ではアイオニック5とEV6などがグローバルブランドを抜いて「最高」という賛辞を受けている。今や現代自動車の残りの挑戦は、輸入車の定着を許さない日本市場の占領だ。韓国メディア「MoneyS」が報じた。(写真:日本再進出の際のメディア懇親会の様子=現代自動車)
原文記事:https://moneys.mt.co.kr/news/mwView.php?no=2022082612344410526
日本の自動車市場は「輸入車の墓場」と呼ばれるほど、これまで外国の完成車メーカーに渡すのは難しい壁と思われてきた。ドイツ・米国など世界有数のブランドも日本だけでは特に力を発揮できなかった。
現代自動車も日本の自動車市場で一度失敗を味わった。現代自動車は2001年、グレンジャーやソナタなど国内ステディーセラー(定番)モデルを前面に出して日本自動車市場に進出したが、肩を落とした。日本を足掛かりにグローバル市場の認知度を高めようとした現代自動車の野心に満ちた計画は、トヨタを前面に押し出した自国ブランドの忠誠度が強い現地の雰囲気に阻まれ、毎年販売台数の苦戦を免れなかった。
結局、2009年に現地市場から撤退した現代自動車は、これまで乗用車を除いたバスなどの商用部門のみ営業してきた。
ところが今年初め、13年ぶりに再び日本自動車市場のドアを叩いた。現代自動車の日本自動車市場再攻略の先鋒隊は、エコカーである電気自動車(EV)のアイオニック5と水素電気自動車であるネッソだ。
出発はタクシー市場の攻略だ。現代自動車は今年7月、日本のMKタクシーにアイオニック5を50台供給する契約を締結した。
今回の契約を通じて、現代自動車は計50台のアイオニック5をMKタクシー京都本社に供給し、MKタクシーは京都で運行中の700台余りのタクシーのうち50台をアイオニック5に交換する。現代自動車はMKタクシー京都整備工場と技術支援協力関係を構築し、走行記録装備、タクシー料金メーターなどタクシー装備の装着を支援する。
現代自動車は、アイオニック5とネッソを皮切りに、日本市場に革新的な商品性を持つエコカー(ZEV)を引き続き披露する方針だ。
現代自動車は日本法人の法人名も現代自動車の日本法人(Hyundai Motors Japan)から現代モビリティジャパン(Hyundai Mobility Japan)に変更した。日本でも「スマートモビリティソリューション提供者」として生まれ変わろうとする現代自動車の目標を反映した歩みだ。
現代自動車が過去、日本の自動車市場に進出した2001年と撤退した2009年までは、グローバル完成車業界に追いつく立場だったが、最近になってはむしろ市場をリードする雰囲気だ。
現代自動車は内燃機関車からエコカーに転換される過渡期に電気自動車アイオニック5を前面に押し出し、成功裏に定着した。アイオニック5は、米国や欧州などの自動車専門メディアが選定した最高の電気自動車に選ばれ、エコカー時代の代表モデルとなった。
起亜EV6もアイオニック5に劣らない評価を受け、現代自動車グループ全体の販売台数増加に力を加えている。
底力は販売量でも現れた。完成車業界によると、現代自動車グループは今年上半期(1~6月)、グローバル市場で329万9000台を販売し、3位についた。現代自動車の上には513万8000台を販売した日本のトヨタグループと400万6000台を販売したドイツのフォルクスワーゲングループが位置する。
3位の現代自動車グループの下には、4位のルノー・日産・三菱アライアンス(314万台)と5位のステランティスグループ(301万9000台)、284万9000台を販売した6位の米ゼネラルモーターズ(GM)がある。
現代自動車グループは昨年上半期347万5000台を含め、年間666万7000台を販売し、販売台数5位を記録した。今年も車両半導体の供給難が続いたが、高価中心の販売戦略を前面に押し出し、ルノー・日産・三菱アライアンスとステランティスグループを抜いて3位を占めた。
現代自動車グループは今年上半期に513万8000台を販売した1位のトヨタとの格差がまだ相当ある。約184万台に達する販売台数の格差を短期間で追いつくことは不可能だ。
現代自動車はこの格差を縮める出発点に、日本自動車市場への再攻略の成功を念頭に置いたものと見られる。トヨタをはじめとする日本の完成車メーカーが内燃機関車では強気を見せたが、エコカー転換期に多少停滞した様子を見せ、追撃の口実を提供しただけに、現代自動車はこの隙を逃さないという覚悟だ。
現代自動車は、日本の自動車市場攻略の成果によって、トヨタとの格差を徐々に縮めることができる見通しだ。
現代自動車のチャン・ジェフン社長は今年初め、日本自動車市場への再進出と関連し、「現代自動車は『人類のための進歩』というビジョンの下、持続可能なモビリティを追求している」とし、「日本市場は学んでいかなければならない場所であると同時に挑戦しなければならない場所」と強調し、現地市場での成功意志を示した。
参考記事:韓国からのEV輸出、すでに10万台を超えた…エコカーの海外販売が急増
参考記事:グローバルEV市場、走行距離・充電時間の無限競争でEV大衆化に拍車かかる
参考記事: