電気自動車(EV)市場が本格的に開花し、ポスコケミカルが再び注目されている。ハナ証券はポスコケミカルに対して投資意見「BUY」を維持しつつ、目標株価を20万6000ウォン(約2万1217円)に上方修正した。韓国メディア「アジア経済」が報じた。(写真:ポスコケミカル)
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ハナ証券のキム・ヒョンス研究員はポスコケミカルに対して「販売者優位市場に参入した正極材市場で最も確固たる地位を確保した」としてこのように明らかにした。
キム研究員は「『インフレーション削減法(IRA)』の通過により、米国内で電気自動車を販売しようとするグローバル注文生産企業(OEM)の間でポスコケミカル正極材を確保するための『購買競争』が繰り広げられるだろう」と説明した。
IRA法案の可決で、米国市場で電気自動車を販売する際、補助金を受けるためには、米国や米国と自由貿易協定(FTA)を締結した国から鉱物資源を調達しなければならない。
キム研究員は「ポスコケミカルはリチウムとニッケルをそれぞれ3万トンずつリサイクル法人(PLSC)とポスコHYクリーンメタルを通じて調達されると予想される」とし「電気自動車バッテリーを生産する際、リサイクルを通じた鉱物調達比率をすでに規定している欧州と今後関連条項の新設が予想される米国市場でポスコケミカル正極材の商品性が上がるだろう」と評価した。
ポスコケミカルは攻撃的な増設を通じて、正極材市場のシェアも大幅に引き上げるものと予想される。ポスコケミカルは2030年までに正極材と負極材の年間生産能力(CAPA)をそれぞれ61万トン、32万トンに拡大する方針だ。
この目標は2030年のグローバル電気自動車の販売台数(3400万台)を想定する際に発生すると予想される正極材の需要(320万トン)を狙ったものだ。ポスコケミカルは、正極材のグローバル市場シェアを20%水準まで引き上げる計画だ。
鉱物調達垂直系列化およびリサイクル調達物量増加鉱物の需要が急増し、正極材61万トン生産に必要な鉱物資源確保が重要な問題として浮上している。
キム研究員は「正極材61万トン生産に必要な主要鉱物資源量はリチウム約7万トン、ニッケル約40万トン」とし「ポスコケミカルの親会社であるポスコホールディングスはポスコアルゼンチン(リチウム)、SNNC(ニッケル)などの子会社を通じて2030年までにリチウム30万トン、ニッケル22万トンの鉱物を生産する予定であり安定的な資源確保が可能だ」と分析した。
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