中国BOEが昨年、米国で最も多くの技術特許を出願したことが分かった。サムスンディスプレイは2番目に多くのディスプレイ関連特許を出願した。「ディスプレイ大手」アップルのiPhoneサプライチェーンに新規参入したBOEが攻撃的に技術覇権に乗り出したという分析が出ている。韓国メディア「電子新聞」が報じた。(写真:OLEDイメージ=TECHWORLD)
原文記事:https://www.etnews.com/20220911000030
米特許庁によると、BOEは昨年1年間、米国で特許3624件を出願した。前年比出願した特許数が70%近く急増した。BOEはこの10年間、年平均50%近い特許出願の成長率を見せた。業界で最も早い成長率だ。
サムスンディスプレイは昨年、2905件の特許を米国に出願した。前年比18%近く増加した数値だ。LGディスプレイは昨年1年間、783件の特許を米国に出願した。売上基準で世界1位ディスプレイの座を占めた中国が研究開発(R&D)能力まで精一杯引き上げ「ディスプレイ事業拡大」を強化しようとする動きが注目される。
中国は世界1位の液晶表示装置(LCD)の座を奪還したのに続き、有機発光ダイオード(OLED)などの高付加ディスプレイ分野でも急速に技術力を確保した。中小型に続き、大型OLEDの量産に乗り出している。
中国が特許市場まで占有することになれば、ライバル会社の参入自体を遮断することができる。今年基準ではサムスンディスプレイが米国で最も多い数の特許を出願した。サムスンディスプレイは今年初めから現在まで計1079件の特許を出願した。今年にBOEは713件の特許を確保した。LGディスプレイは185件の特許を出願した。
サムスンディスプレイが最近「特許経営」を強化しようとする動きを見せているだけに、今後も核心特許確保に速度を上げるものと見られる。サムスンディスプレイはモバイル向けなど中小型OLED市場で業界トップの企業だ。フォルダブル、スライダブルなどフォームファクター革新でも世界で最も進歩した技術を確保している。会社は今年、ドイツOLEDスタートアップのサイノーラを3億ドル(約427億円)で買収したが、この過程でサイノーラが持つ多様なディスプレイ関連の知識財産権も確保した。
業界関係者は「中国がディスプレイ特許市場でも急速に存在感を誇示している」とし「ディスプレイ市場覇権を完全に持っていくという攻撃戦略」と述べた。
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