月間半導体輸出が26ヶ月ぶりに減少し、多くの専門家が短期産業見通しを否定的に見る中でも、韓国国内企業は大規模投資で危機に備えている。韓国メディア「newstomato」が報じた。(写真:サムスン電子、動画:newstomato)
12日業界によると、サムスン電子は現在、京畿道龍仁市(キョンギド・ヨンインシ)にある器興(キフン)キャンパスに約10万9000平方メートル(約3万3000坪)規模の次世代半導体研究開発(R&D)団地を建設している。
サムスン電子は2025年中旬に稼動する予定の半導体R&D専用ラインを含め、2028年までに研究団地造成に約20兆ウォン(約2兆579億円)を投資する予定だ。今回のR&D団地は△メモリ、△ファブレスシステム半導体、△ファウンドリなど半導体R&D分野の核心研究基地の役割を担うことになる。
サムスン電子のイ・ジェヨン副会長は先月、光復節(クァンボクチョル:日本の植民地支配からの解放記念日)を迎えて復権して以来、初の現場経営として、先月19日に行われた器興半導体R&D団地の起工式に出席した。
SKハイニックスは今月6日、未来成長基盤を確保するため、忠清北道清州市(チュンチョンブクト・チョンジュシ)に新規半導体生産工場であるM15X(eXtension)を建設すると発表した。M15X工場の建設と生産設備の構築には今後5年間、計15兆ウォン(約5兆5434億円)を投入する計画だ。
これに伴い、SKハイニックスは来月に忠清北道清州市テクノポリス産業団地内の約6万㎡の敷地にM15X建設工事を始め、2025年初めに完工を目標にしている。M15Xはメゾネットタイプで清州市にあるM11とM12の2つの工場を合わせたものと似た規模だ。
SKハイニックスは市場状況などを総合的に考慮し、すでに確保された敷地にM15の拡張ファブであるM15Xを予定より繰り上げて着工することにした。また、SKハイニックスは近くのM17新規工場に対しては、半導体市況など経営環境を考慮して着工時期を決める方針だ。
企業データ研究所のCEOスコアが主要大手企業の設備投資金額を調査した結果によると、SKハイニックスは今年上半期に10兆4140億ウォン(約1兆716億円)を投資し、昨年上半期の7兆4772億ウォン(約7694億円)より2兆9367億ウォン(約3022億円)(39.3%)増やした。
サムスン電子は今年上半期、21兆7341億ウォン(約2兆2363億円)を投資し、前年同期の25兆1149億ウォン(約2兆5842億円)より3兆3808億ウォン(約3479億円)(13.5%)減少したが、投資額の規模では調査対象大企業の中で1位を占めた。
韓国の最大輸出品目である半導体は消費者購買力減少と過剰在庫などにともなう需要劣勢発生で今年8月は上昇傾向が停滞した。
産業通商資源部(産業省)の集計結果、8月の半導体輸出額は107億8000万ドル(約1兆5340億円)で、前年同期比7.8%減少した。半導体輸出額は16ヶ月連続で100億ドル(約1兆4231億円)以上を維持したが、26ヶ月ぶりに輸出が減少した。
これと関連して国内半導体専門家の大部分は現在の半導体産業の現況を危機だと見ており、このような状況が再来年以後も持続すると予想した。
大韓商工会議所が最近、国内半導体専門家30人を対象に国内半導体産業景気に対する認識を調査し発表した結果によると、76.7%は現在半導体産業が置かれている状況を「危機(危機状況の入り口56.7%、危機の真ん中20%)」と診断した。また「危機状況直前」という回答は20%であり、「危機状況ではない」という回答は3.3%と集計された。
現在の状況を「危機」または「危機直前」と診断した専門家に「この状況がいつまで続くと予想するか」を尋ねた結果、最も多くの専門家が「再来年以後も続くだろう(58.6%)」と見通した。次いで「来年まで(24.1%)」、「来年上半期まで(13.9%)」、「今年末まで(3.4%)」などの順だった。
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