サムスン電子がアップルの「ホームグラウンド」である日本に9月末、Galaxy Z Fold4・Flip4を発売し、iPhone14と正面勝負に乗り出す。フォルダブルの善戦で今年初め、日本スマートフォン市場シェア2位に上がったサムスン電子は、iPhone14の公開日に合わせてBTSコラボマーケティングを展開し、攻勢を強化している。ドル高・円安でiPhone14価格競争力が低くなった点もまたサムスン電子には機会要因だ。韓国メディア「ソウル経済」が報じた。(写真:東京ミッドタウンで行われたGalaxy×BTS体験イベント=サムスン電子)
原文記事:https://www.sedaily.com/NewsView/26B5BKP3D6
19日業界によると、サムスン電子は9月29日、日本でGalaxy Z Fold4・Flip4を公式発売する。前作のGalaxy Z Fold3・Flip3は、日本で昨年10月6日に発売した。昨年より発売日を1週間繰り上げて日本市場攻略に拍車をかけるのだ。
サムスン電子はGalaxy Z Fold4・Flip4の発売を控えて攻撃的な現地マーケティングを展開している。特に今年、サムスン電子の日本国内のフォルダブルマーケティングはiPhone14の公開日程に合わせた「狙撃」の様相を呈している。サムスン電子はiPhone14が公開された今月8日「Galaxy原宿」で新製品ショーケースを開いた。原宿売場は地下1階、地上7階で、世界のGalaxy展示場の中で最大規模を誇る。これに先立ち東京などに「Galaxy X BTS」体験空間を運営したりもした。
アップルの「ホームグラウンド」と呼ばれる日本市場攻略にサムスン電子が力を入れている姿だ。日本は伝統的にiPhoneのシェアが50%を越えシャープ・ソニーなど自国ブランド選好度が高い。しかし、最近になって既存の地形に亀裂が入っている。
市場調査機関のストラテジーアナリティクス(SA)によると、日本のスマートフォン市場シェアはアップル56.8%、サムスン電子13.5%、シャープ9.2%の順だった。サムスン電子がシャープを抜いて2位に上がったのだ。サムスン電子の第1四半期のシェアは、2013年第1四半期の14.1%以降、四半期基準で10年以内の最高水準だった。この基調は第2四半期にも続いた。第2四半期のシェアはアップル50.8%、サムスン電子12.2%、シャープ11.9%の順だ。アップルのシェアが6%ポイント大幅に減った点が目立つ。
サムスン電子の「日本再上陸」の立役者はフォルダブルフォンだ。特にGalaxy Z Fold3・Flip3のすっきりとしたデザインが日本消費者に訴求したという評価だ。業界のある関係者は「日本がiPhone共和国になった背景にもデザインに敏感な消費性向があった」とし「Galaxy Z Flip3デザインが好評を得ただけに前作基調を継続したGalaxy Z Flip4も人気が高いものと見込まれる」と述べた。
日本のiPhone14シリーズの価格が大幅に引き上げられた点もサムスン電子には機会だ。アップルはiPhone14シリーズのドル建て価格は凍結したが、深刻なドル高・円安に円建て価格の引き上げを避けられなかった。実際、iPhone14シリーズの日本国内での公式販売価格は前作発売時点より2万1000~3万3000円ほど上がった。一方、Galaxy Z Fold4・Flip4の日本出荷価格はそれぞれ1万円程度の引き上げにとどまったという。特別な変化なしに日・米・韓の三国間為替レートだけで価格競争力が増えたわけだ。
サムスン電子は「歴代級」の数量攻勢も準備している。実際、サムスン電子は今年のフォルダブル生産量を昨年対比2~3倍ほど増やしたことが分かった。昨年、Galaxy Z Fold3・Flip3が高い人気にもかかわらず、初回の数量不足で品薄現象を起こした事例を反面教師にしたのだ。
十分な供給は、急激なグローバル販売台数の増加へと繋がっている。日本に先立ちGalaxy Z Fold4・Flip4が発売された欧州では初回の出荷量が前作より2倍増えたりもした。業界のある関係者は「景気低迷にグローバルスマートフォン販売量が減っているが、プレミアム市場は打撃が少ない方」とし「Galaxyとフォルダブルブランドイメージ強化のためにも先進国のシェアが重要なだけにサムスン電子がいつにも増して日本市場に大きな力を入れている」と述べた。
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