LGエナジーソリューションが北米市場攻略のために全社を挙げて力を注いでいる。特に、米国のインフレ削減法(IRA)の施行を契機に、投資速度も速くなっている。韓国メディア「Newsis」が報じた。(写真:米ミシガン州にあるLG化学ミシガン工場の様子=Newsis)
原文記事:https://newsis.com/view/?id=NISX20221007_0002041178
10日、グローバル市場調査会社のIHSによると、北米の電気自動車(EV+PHEV基準)バッテリー市場は昨年46GWhから来年143GWh、2025年286GWhに成長する見通しだ。年平均成長率だけで58%に達する。
バイデン政権も「気候変動対応」、「米国製造業復活」という二兎をつかむために電気自動車産業を集中育成している。2030年に北米市場で発売される新車の半分を電気自動車に交換するという目標を立て、電気自動車関連産業に税制優遇および補助金関連支援政策を発表している。
LGエナジーソリューションは最近、米国でインフレーション削減法(IRA)が発効し、バッテリー核心原材料を採掘および加工する北米地域の企業と中長期供給契約を結ぶなどパートナーシップを拡大している。
先月22日(現地時間)にカナダ鉱物企業のエレクトラ、アバロン、スノーレイクとそれぞれ業務協約(MOU)を結び硫酸コバルト・水酸化リチウムなどを供給されることにした。LGエナジーソリューションは来年からエレクトラから3年間、硫酸コバルト7000トンの供給を受ける。エレクトラは北米地域で硫酸コバルトを精製できる唯一の供給企業だ。
また、2025年から5年間、アバロンが生産する水酸化リチウム5万5000トンを、10年間スノーレイクが生産する水酸化リチウム20万トンをそれぞれ供給される予定だ。
これに先立ち、今年6月には米国リチウム生産企業であるコンパスミネラルと炭酸水酸化リチウム供給に対する業務協約を締結したりもした。LGエナジーソリューションは2025年から7年間、彼らが生産するエコ炭酸水酸化リチウムの40%を供給される予定だ。
IRAは北米で最終組み立てられた電気自動車のみ税金控除の恩恵を受けられるようになっている。最大補助金である7500ドル(約1000万ウォン、約109万円)を全て受け取るためには、北米または米国と自由貿易協定(FTA)を結んだ国でバッテリー鉱物と部品を一定比率以上調達しなければならない。
LGエナジーソリューションは、北米3大完成車メーカーのゼネラルモーターズ(GM)、フォード、ステランティスを顧客会社として置いている。現在、約15兆ウォン(約1兆5299億円)をかけて北米市場で4ヵ所のバッテリー合弁生産工場を建設中だ。
戦略的コラボレーション関係を構築したGMとはオハイオ、テネシー、ミシガンの3ヵ所に40~50GWh規模の合弁工場を建設中であり、ステランティスともカナダに45GWh規模の合弁工場を建設している。
フォードの場合、人気電気自動車モデルであるマスタングマッハ-E、電気商用車であるイー・トランジットの販売拡大に伴い、バッテリー供給を追加的に増やしている。
LGエナジーソリューションのミシガン単独工場を含めれば、2025年の北米地域の生産能力は255GWhに達する。これは1回の充電で500㎞走行が可能な高性能純電気自動車を年間250万台生産できる規模だ。
バッテリー業界関係者は「最近発表したアリゾナ単独工場投資再検討は顧客需要や事業的変動状況があるのではなく建設費、物流費増加などにともなう解決方案を模索するという意味」とし「2025年にLGエナジーソリューションは北米地域だけで5~6ヶ生産工場を稼動し市場競争力を急速に拡大できるだろう」と述べた。
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