メモリは追われ、ファウンドリの成長は遅く…K半導体「警告灯」

世界的な情報技術(IT)企業であるサムスン電子にとって、メモリ半導体は心強い後ろ盾となった。多いときは年間約45兆ウォン(約4兆5865億円)の営業利益を計上し重要な役割を果たした。サムスン電子はこの資金をもとに、ファウンドリ(半導体受託生産)、ファブレス(半導体設計専門企業)などに事業を拡大し、未来を準備した。韓国メディア「韓国経済」が報じた。(写真:サムスン半導体生産ライン=サムスン電子)
原文記事:https://www.hankyung.com/economy/article/2022100962161

最近、メモリ事業に警告灯が灯り、韓国半導体産業全体に危機感が高まっている。ファウンドリとファブレスなどが正常軌道に乗れない状態でメモリ業績が急減し「投資余力」に対する憂慮も大きくなっている。

9日、半導体業界によると、第3四半期に台湾TSMCに売上世界1位を奪われたのは、韓国半導体産業の暗鬱な状況を示しているという評価が出ている。TSMCはファウンドリ市場の圧倒的な競争力を前面に押し出し、第3四半期に27兆ウォン(約2兆7519億円)を超える売上を記録した。

サムスン電子が1位の座を明け渡した決定的な理由は、半導体売上の70%以上を占めるメモリ業況の悪化だ。今年9月のDRAM固定取引価格は昨年の高点対比30%以上下がった。

市況産業であるメモリ半導体の特性上、1・2位企業も「価格下落サイクル」に勝つことはできない。しかしサムスン電子はこれまでライバル会社より2~3年先の技術力を土台にライバル会社対比業績変動性を最小化した。最近は容易ではなくなったという評価が出ている。米国、日本などライバル会社との技術格差が縮まっているためだ。

DRAMでは、米マイクロンが今年、第5世代10ナノ級製品を量産すると公言した。サムスン電子は最近「来年に量産」を宣言し、SKハイニックスはまだ「開発中」だ。NAND型フラッシュでもマイクロンは232段の年末量産を約束したが、サムスン電子は来年量産に入る236段製品を最近公開した。業界関係者は「トランジスタ密度、歩留まり(全体生産量で良品の比率)、新製品発売時点などは技術力の尺度」とし「韓国企業が技術競争で脅かされている」と評価した。

サムスン電子はメモリ半導体への偏りを減らすため、システム半導体産業の育成にも力を入れた。サムスン電子のイ・ジェヨン副会長が2019年「システム半導体ビジョン2030」を発表し、200兆ウォン(約20兆3842億円)近いお金を投資することにしたのが代表的だ。システム半導体は顧客オーダーメード型の製品を生産するため、市況に敏感でなく安定的なのが長所として挙げられる。

現実は容易ではない。ファウンドリでサムスン電子はTSMCの高い壁に阻まれ「万年2位」に閉じ込められている。ファブレス事業もやはり統合チップセット(SoC)、イメージセンサーなどで外部顧客を増やしているが「先頭圏との格差が相当だ」という評価が優勢だ。

米国が先端半導体装備の中国輸出を規制することにしたのも不安要因だ。サムスン電子は、中国西安に20兆ウォン(約2兆384億円)以上を投資し、NAND型フラッシュ工場2ヵ所を建設した。同工場のNAND型フラッシュ生産の割合は、サムスン生産量の40%水準だ。SKハイニックスも無錫に最先端DRAM生産施設を構築した。

DRAMとNAND型フラッシュ市場の競争力は「最新製品を適時に顧客会社に供給すること」だ。最先端装備の搬入が制限されたり、時間が長くかかると、製品生産速度が遅くなる可能性が高い。

専門家たちはTSMCのように特化した市場で着実に業績を出せる「圧倒的な技術力」が必要だと口をそろえている。政府支援も必須要件として挙げられる。しかし、半導体企業の施設投資に対する税制優遇の拡大などが盛り込まれた半導体特別法は、国会で漂流している。業界高位関係者は「特別法に含まれた税制恩恵も先進国の半分に至らない水準」とし「これさえも通過せずにいてもどかしい状況」と指摘した。

参考記事:サムスン電子、グローバル半導体売上1位の座を台湾TSMCに明け渡す
参考記事:クアルコムもNVIDIAもTSMCに明け渡し…サムスンファウンドリの解決策は?
参考記事:メモリに続き「イメージセンサー」も…サムスン、半導体の収益が非常事態

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