バッテリー、好業績の中でも…エネルギー価格・サプライチェーンが変化要因

LGエナジーソリューションやサムスンSDI、SKオンなど、国内電気自動車用バッテリーを生産する国内3社が、今年第3四半期に好業績を記録する見通しだ。世界的な景気低迷の中でも電気自動車の販売が維持され、リチウムやニッケルなどの鉱物価格の引き上げ分が販売価格に連動し、収益性の負担を減らした結果だ。韓国メディア「エナジー経済」が報じた。(写真:LGエナジーソリューションの研究員がバッテリーを点検している様子)
原文記事:https://www.ekn.kr/web/view.php?key=20221016010002193

ただ、電気自動車の主要市場である欧州で電気料金の上昇で電気自動車の需要鈍化の懸念が拡大しており、残りの年末業績への変化要因として作用するものと見られる。世界バッテリーの主導権をめぐって米国と中国が繰り広げるサプライチェーン争いも潜在的な圧迫に影響を及ぼすものと業界は見ている。

16日、業界によると、LGエナジーソリューションの今年第3四半期の業績が売上7兆6482億ウォン(約7887億円)、営業利益5219億ウォン(約538億円)と暫定集計された。昨年第3四半期と比べると、売上は89.9%伸びた。

特に収益性の改善傾向がはっきりしている。LGエナジーソリューションは4四半期連続黒字を記録した。今年は初の営業利益1兆ウォン(約1031億円)を達成する可能性が高い。

好業績はニッケルをはじめとするバッテリー用核心鉱物価格を販売単価と連動した影響だ。会社側は、「今年第2四半期に販売価格連動契約が終了し、今年第3四半期の収益性に肯定的な効果を見せた」と説明した。また為替レートが大幅に上昇し、輸出物量が多いバッテリー企業が為替差益を享受した点も業績改善に役立ったものと見られる。

電気自動車の販売台数が増え続けている点も鼓舞的だ。今年1月から9月までの国内純電気自動車の販売台数は11万7000台で、昨年の年間販売台数である9万7000台を上回った。先月の電気自動車販売は月2万485台を記録し、昨年同期比2倍の成長を示した。SNEリサーチによると、世界の電気自動車市場は2030年には5900万台以上に増える見通しだ。

サムスンSDIとSKオンはまだ業績を公開していないが、好業績に対する期待が高い。金融情報会社のエフアンドガイドによると、今年第3四半期のサムスンSDI業績コンセンサス(最近3ヵ月間の証券会社の予測値の平均値)は、売上5兆3303億ウォン(約5497億円)、営業利益4927億ウォン(約508億円)で、昨年同期より売上は54.96%、営業利益は31.91%増加する見通しだ。

SKオンは下半期に赤字脱出を予告した状況だ。受注残高の拡大と取引先の変化に支えられ、赤字幅が有意義な水準に減るものと業界は見ている。

ただ、中国、北米と共に電気自動車3大市場に挙げられる欧州で電気自動車の成長が低迷している点は年末の変化要因として作用する見通しだ。国内3社の欧州向けバッテリーの売上比重はLGエナジーソリューション68%、サムスンSDI73%、SKオン45%で少なくない。

ロシアのウクライナ侵攻で増えたエネルギー価格で、今年上半期の欧州電気自動車販売台数は前年比7%増に止まった。同期間、中国(185%)、米国(68%)市場が見せた成長傾向に比べれば、需要が低迷している様子だ。

米国がインフレ削減法(IRA)で触発した世界的なバッテリー供給網の不安も潜在的負担だ。国内企業は現在、中国に偏ったバッテリー素材、原料供給網を北米中心に再編しなければならない宿題を抱えることになった。これと関連して最近、米エネルギー省(DOE)関係者が入国し、国内バッテリー3社と面談したりもした。

バッテリー業界の関係者は「欧州で電気自動車の充電費が上昇し、ガソリンを入れる価格とほぼ同じになり、電気自動車を購入する利点がなくなり、一時的な需要鈍化が現れる」とし「ただし戦争が終われば電気自動車の販売台数は再び成長する余地が大きい」と述べた。

参考記事:LGエナジーS、日本商用車最大手いすゞに「1兆ウォン規模」バッテリー供給
参考記事:SKオン、他社が取り組む円筒形バッテリーではなく別の道を歩むのはなぜか
参考記事:Kバッテリー、「トップ」の中国との格差を縮めたか…上半期の成績表見ると

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