サムスン電子が初の量子ドット(QD)-有機発光ダイオード(OLED)パネル搭載のゲームモニターを来月に発売する。OLEDモニターが市場需要鈍化を防御できるか注目される。韓国メディア「電子新聞」が報じた。(写真:Odyssey OLED G8=サムスン電子)
原文記事:https://www.etnews.com/20221014000128
サムスン電子は34インチQD-OLEDゲームモニター「オデッセイOLED G8(モデル名G85SB)」発売時点を今年11月初めに確定し、販売戦略を樹立していると伝えられた。韓国を含め北米、欧州などの主要国に優先発売するものと予想される。
同製品は曲率1800R(曲率半径)のカーブドモニターだ。175Hz査率と0.1ms応答速度を支援する。
パネルはサムスン電子モニターの中で初めてサムスンディスプレイQD-OLEDを採用した。フィルターなしで純度の高い赤・緑・青(RGB)を実現し、色の正確度と輝度も既存モデルに比べて大幅に改善した。別途の設置なしでクラウドに接続してゲームを楽しむプラットフォーム「ゲーミングハブ」も搭載した。
サムスン電子は先月、IFA2022開幕前日、現地展示場でこの製品を公開した。今月9日にはサムスン電子公式ユーチューブチャンネルに「オデッセイOLEDG8」を紹介する映像を初めて掲載するなど事前マーケティングを始めた。今年上半期に発売した「オデッセイネオG8」、「オデッセイアーク」と共にプレミアムモニター市場を攻略する。オデッセイネオG8とオデッセイアークは、ミニ発光ダイオード(LED)を搭載したカーブドゲーミングモニターだ。
サムスン電子は今回のオデッセイG8の発売でQD-OLED生態系を広げる。会社は3月、米国と欧州の一部の国にQD-OLEDディスプレイを搭載した55・65型テレビを初めて発売した。下半期を基点としては欧州全域と東南アジア・オセアニアに発売範囲を拡大した。テレビに続きモニターまでQD-OLEDパネル搭載製品を増やすなど、プレミアムスクリーン市場での強者の地位を強固にする方針だ。
新型コロナウイルス感染症の流行後、急速に成長してきたゲーミングモニター市場が最近停滞したのがカギだ。市場調査会社のトレンドフォースによると、今年の全世界のゲームモニター予想出荷量は2050万台で、前年比約10%減少するものと予想される。ゲーミングモニターカテゴリーが形成された後、初めての減少傾向だ。ただ、ゲーミングモニター市場でも両極化が進み、プレミアム領域が成長の勢いを続けるだろうという予想は肯定的な要素だ。
グローバルテレビ市場でLG電子との競争も注目される。OLEDテレビの世界市場で60%以上を占有したLG電子は、ゲームモニター市場でも支配力拡大に総力を傾ける。LG電子は今年5月、自社初のOLEDパネルが搭載された「ウルトラギアゲーミングモニター(モデル名48GQ900)」を発売した。
グローバル市場でサムスン電子が金額基準で先頭を守る中、プレミアム領域でOLEDを前面に出したLG電子攻勢が厳しい状況だ。Dell、HP、ASUSなどのグローバル企業までOLEDゲームモニター市場に加わり、新しい激戦地として浮上した。
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