アップルが選んだLGイノテック…3Dセンシングモジュールって何?

LGイノテックがアップルのiPhone14発売効果に支えられ、第3四半期に好業績が予想される。特にLGイノテックがアップルに納品する3Dセンシングモジュールは最近、AR(拡張現実)とVR(仮想現実)、自律走行車分野に用途が拡大し、大きな成長が予想される。韓国メディア「BLOTER」が報じた。(写真:LGinnotek)
原文記事:https://www.bloter.net/newsView/blt202210170007

17日、金融情報会社のエフアンドガイドによると、LGイノテックは今年第3四半期の売上4兆6693億ウォン(約4831億円)、営業利益4260億ウォン(約441億円)を記録する見通しだ。それぞれ前年同期比22.95%、32.19%成長した規模だ。

LGイノテックの業績は事実上光学ソリューション事業部門が牽引している。上半期基準で全体売上の74%が光学ソリューション事業部門から出た。光学ソリューション事業部門はプレミアム級スマートフォンに搭載されるトリプルカメラを生産するが、今年第3四半期の好業績予測背景にもアップルのiPhone14発売の影響が挙げられる。

LGイノテックは一般カメラモジュールの他に3Dセンシングモジュールも生産する。LGイノテックは2019年から3Dセンシングモジュールを開発・生産してきた。これまで3Dセンシングモジュールはスマートフォンに搭載され、写真撮影を手伝って、顔認識などに活用されてきた。しかし、最近3DセンシングモジュールはAR、VR(仮想現実)、自律走行車市場に用途が拡大している。

市場調査会社であるリサーチアンドマーケットによると、グローバル3Dセンシング市場規模は2020年29億ドル(4兆1661億ウォン、約4316億円)規模から2025年100億ドル(14兆3660億ウォン、約1兆4884億円)規模に、年平均27.9%の成長推移を見せる見通しだ。

3Dセンシングモジュールはイメージを3次元と認識して具現する技術だ。ToF(Time of Flight)方式とSL(Structured Light)方式があるが、最近新事業で注目される技術はToFセンサーモジュール方式だ。

ToFモジュールは被写体で光を発射し、跳ね返ってくる時間を距離で測定する。これにより、物事の立体感や空間情報、動きなどを認識する。イルカやコウモリが超音波を通じて物を認識するのと似ている方式だ。

LGイノテックはアップルのiPhoneシリーズにToF3Dセンシングモジュールを納品してきた。ToFモジュールは一般的なカメラより被写体の大きさをより正確に実現することができる。また、電力消耗が少なく、サイズが小さくてスマートフォン搭載に有利だ。iPhoneに搭載されたToFモジュールは顔認識機能、背面カメラ補助などを支援する。

LGイノテックはグローバル3Dセンシングモジュール市場シェア90%を占める事実上独占的企業だ。ただ、これまでは主力協力会社であるアップルを除けば、ToFモジュールの需要が多くなかった。

しかし、最近AR、VR、自律走行車などの市場が浮上し、ToFモジュールの活用先が広がっている。特にグーグルとアップル、メタなどグローバルIT恐竜がこの市場に参入すると宣言し、LGイノテックの成長が予想される状況だ。

ToFモジュールは被写体に光が当たって戻ってくる時間でイメージを分析する。基本原理が複雑ではなく、反応速度が速いという長所がある。特にAR、VR、自律走行車などリアルタイム対応が必要な分野に有利だ。

LGイノテックはすでに昨年、マイクロソフト(MS)と3Dセンシングモジュール供給業務協約を結んだ。また、来年に発売予定のグーグルARグラスに3Dセンシングモジュール供給を準備中であり、アップルが開発しているXR(混合現実)機器にもLGイノテックのToFモジュール搭載が有力視されている。LGイノテックはアップルのiPhoneにToFモジュールを供給し、協力会社として長い間信頼を築いてきた。

ToFモジュールは自律走行車用センサーにも使われる。自律走行時代の核心部品として挙げられるLiDAR(ライダー)とRADAR(レーダー)にToF技術が採用される。ライダーは360度全方位感知が可能なレーザーセンサーであり、レーダーは高周波で車両外部物体の方向、速度、距離を把握するセンサーだ。

LGイノテックは先月23日、テスラと1兆ウォン(約1035億円)規模のカメラモジュール供給契約を議論していると公示した。まだ具体的に決定された事項はないという立場だが、市場ではLGイノテックが車両用3Dセンシングモジュール納品契約を協議していると見ている。

最近、LGイノテックは3Dセンシングモジュールの生産を増やすため、坡州(パジュ)工場の増設に乗り出したという。完工時期は2024年上半期と予想される。今後増えるものと予想される3Dセンシングモジュールの需要に対応するためだ。ただしLGイノテック関係者は「工場増設と関連して具体的に確認できる事実はない」と述べた。

参考記事:LGイノテックのチョン社長、今後は「デジタルツイン-半導体基板に集中」
参考記事:LGイノテック、アップル向け供給網強化…ライバル企業を横目に投資拡大
参考記事:半導体パッケージ基板を拡大するサムスン・LG…兆ウォン単位の投資競争へ

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