最近、国内外を問わず電気自動車市場が爆発的な伸び率を示し、業界のブルーオーシャンとして注目を集めている中、国内バッテリー素材企業の市場競争にも火がついている。韓国メディア「アジアタイムズ」が報じた。(写真=ロッテケミカル研究所)
原文記事: https://www.asiatime.co.kr/article/20221018500253
18日、関連業界によると、ロッテケミカルとLG化学、ポスコケミカルなど国内屈指のバッテリー素材メーカーは、バッテリー素材企業1位の座をめぐって買収戦を繰り広げたり、大規模バッテリー原材料供給契約を締結したり推進するなど、死力を注ぐ勝負手をかけており、今後の成り行きが注目される。
メーカー別ではロッテケミカルが最近、サムスンSDIを主力顧客会社として置く国内銅箔生産企業イルジンマテリアルズを2兆7000億ウォン(約2824億円)で買収し、バッテリー素材1位企業に向かう積極的な動きを見せている。イルジンマテリアルズは韓国とマレーシアにそれぞれ生産基地を置く企業で、計6万トン(t)前後の銅箔を生産している。
一部では、イルジンマテリアルズの検証済み銅箔量産能力と海外生産サイト、サムスンSDIという受注を保有している点を肯定的に評価している。合わせて2030年までに電池素材部門に計4兆ウォン(約4184億円)の投資および年間売上5兆ウォン(約5230億円)達成を目標に提示したロッテケミカルも今回の買収戦を巡り、これまで強調してきたバッテリー素材強化に対するポートフォリオとバリューチェーン完成に対する期待感を示した。
バッテリー素材分野の革新を着実に強調してきたLG化学は、市場内での立地を固めるため、合弁法人を相次いで設立し、ポートフォリオを強化している。具体的にLG化学は中国ファユコバルトの正極材子会社「B&M」と合弁法人を設立し正極材事業拡大を推進する。これに加え、米国自動車1位のGM(ゼネラルモーターズ)とも提携し、GMに2030年までに90万トン以上の正極材を供給することにした。
ポスコケミカルも最近、フォードをはじめ、様々なグローバル自動車及びバッテリー企業を対象にバッテリーの核心素材である正極・負極材の供給を協議していることが分かった。このほか、ポスコケミカルはGMと提携し、北米正極材合弁会社「アルティアムキャム(Ultium CAM)」設立のための最終契約を締結したのに続き、今年4月には浦項(ポハン)工場に約2900億ウォン(約303億円)を投資し、電気自動車用ハイニッケル正極材の生産ラインを着工した。
彼らがバッテリー素材のポートフォリオを強化するには、世界の電気自動車市場の急膨張が位置している。国内外の自動車モビリティ市場が炭素中立など環境にやさしい基調に従って電気自動車に移動しており、企業の立場からも収益構造上、電気自動車事業を拡大させるのが有利だからだ。
業界関係者は「素材企業であるためバッテリー自体を作ることはないが、電気自動車市場の成長に伴いバッテリー使用量が大幅に増えており、関連素材事業を積極的に拡大させている」と述べた。
一方、グローバル電気自動車市場は今後も大幅に成長する見通しだ。専門調査機関のスタティスタは、2020年から6年間、世界の電気自動車市場規模が4倍以上増加し、2026年には約1兆ドル(約1000兆ウォン)に達すると予想した。
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