ポスコケミカルとOCIが半導体工程の必須素材である過酸化水素生産に乗り出すと20日明らかにした。韓国メディア「betanews」が報じた。(写真:ポスコケミカル)
原文記事:https://www.betanews.net/article/1367499
韓国国内で初めて製鉄工程で発生するコークスオーブンガスから抽出した水素を原料として活用し、経済性とエコ性を高める計画だ。
ポスコケミカルとOCIの先端化学素材合弁会社であるP&Oケミカルは20日、全羅南道光陽市(チョルラナムド・クァンヤンシ)の国家産業団地で過酸化水素工場の竣工式を開催した。
P&Oケミカルは光陽市国家産業団地内の4万1530㎡敷地に1459億ウォン(約153億円)を投資し、年産5万トン(t)の工場を竣工した。過酸化水素は漂白と消毒などに使用する酸化剤で、この工場では半導体ウェハーとディスプレイ基板の洗浄・エッチング工程で必須素材として活用される電子級製品と一般漂白・消毒などに使われる工業用製品を生産する。
これを通じて大規模生産ラインの増設と工程段階の増加で製品需要が大きく増えている国内半導体顧客会社に経済性が高く環境にやさしい高純度過酸化水素を安定的に供給できるようになったと会社側は説明した。
P&Oケミカルは、国内で初めて製鉄工程で発生するコークスオーブンガス(Cokes Oven Gas)から抽出した原料で過酸化水素を生産する。従来のLNG(液化天然ガス)抽出方式と比べて原料リサイクルが可能で経済的であり、炭素排出量も約29%減らすことができ、環境にやさしい方式だ。
光陽製鉄所と配管網を連結して製鉄工程で発生するコークスオーブンガスの供給を受けて水素を抽出・精製し、水素抽出を終えたコークスオーブンガスは再び製鉄所に供給して熱源としてリサイクルする。
ポスコケミカルの関係者は「過酸化水素事業に進出しバッテリー素材の他にも半導体など先端化学素材分野に製品ポートフォリオを拡大し新しい成長動力を確保することになった」とし「また鉄鋼工程の副産物を原料に化学製品を生産し炭素素材事業の付加価値を極大化できるようになった」と明らかにした。
OCI関係者は「OCIは今回の工場竣工で過酸化水素総生産量を既存7万5000tから12万5000tに拡大する」とし「半導体工程用高純度過酸化水素を安定的に生産し市場支配力を拡大することになった」と述べた。
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