サムスン電子と日本ソニー間のイメージセンサーシェアの格差が縮まった。イメージセンサーは光をデジタル信号に変えるシステム半導体だ。カメラの目の役割をする。韓国メディア「韓国経済」が報じた。(写真:アイソセル=サムスン電子)
原文記事:https://www.hankyung.com/economy/article/202210292999i
サムスン電子で半導体設計を専門とするシステムLSI事業部は「アイソセル」というブランドのイメージセンサーを開発、販売する。現在、スマートフォン用イメージセンサーが主力製品だ。市場調査会社のストラテジーアナリティクスによると、今年上半期のサムスン電子のイメージセンサー市場シェアは30%で、1位の日本ソニー(44%)に次いで2位を占めた。 シェア格差は14%ポイント(p)で、昨年同期の格差(17%P)より縮まった。
ソニーはアップルiPhone、サムスン電子システムLSI事業部はGalaxyフラッグシップ製品に主に納品する。シャオミ、VIVO、OPPOなど中国スマートフォンメーカーの採用可否がシェア拡大の鍵になっている。
サムスン電子は、世界最高水準の解像度を備えたイメージセンサーを引き続き市場に披露している。今年上半期に公開した「2億画素」イメージセンサー「アイソセルHP3」が代表的だ。画素が多ければ多いほど対象を実際に近く表すことができるという。
この製品はシャオミが最近公開したプレミアムスマートフォン「シャオミ12Tプロ」、「レッドミーノート12プロ+」と「レッドミーノート12エクスプローラーエディション」に搭載される。サムスン電子が来年に公開するGalaxy S23ウルトラにも2億画素イメージセンサーが入るものと予想される。
ソニーとサムスン電子は、イメージセンサーを安定的に量産するための競争も繰り広げている。ソニーはTSMCと手を組んだ。TSMCは日本政府の資金支援(約5000億円)を受け、熊本県に22~28nm(ナノメートル、1nm=10億分の1m)工程を備えたファウンドリ工場を建設している。ここではソニーのイメージセンサーが生産されるものと予想される。
サムスン電子は、自社ファウンドリ事業部のほか、世界3位のファウンドリメーカーである台湾UMCにもイメージセンサー委託生産を任せる。外注生産企業を拡大する計画も持っている。サムスン電子は最近開かれた第3四半期業績説明会で「フラッグシップスマートフォンに入る2億画素製品の円滑な供給のために色々なファウンドリ企業と協力する」と説明した。
サムスン電子の最終目標は人の目を凌駕する「6億画素」イメージセンサーの開発だ。システムLSI事業部を率いるパク·ヨンイン社長は2020年システムLSI事業部センサー事業チーム長(副社長)時代、自社ニュースルームに寄稿した文を通じてサムスン電子が描く未来を推測することができる。
当時、パク社長は高画素センサー開発の技術的困難を先に説明した。例えば「6億画素イメージセンサーを作るためにはピクセル(デジタルイメージの最小単位)数字だけを増やせば良い」と考えられるが「そうではない」ということだ。彼は「ピクセル数が増えればイメージセンサーがあまりにも大きくなり厚くなり、『カメラが飛び出ること』を越えてカメラレンズ部分が取っ手のように大きくなるだろう」とし「スリムなスマートフォン外観を維持しながらカメラ解像度を高めるためにはイメージセンサーのピクセルははるかに小さくならなければならない」と説明した。
それでも問題が生じる。ピクセルが小さくなれば、光を受け入れる面積が減り、性能が低下する可能性があるということだ。彼は「ピクセルのサイズを減らしながらも性能は維持することがイメージセンサー技術のカギ」とし「サムスン電子エンジニアにとって『技術的限界』という良い動機付けであり、越えなければならない宿命」と明らかにした。
イメージセンサー市場は引き続き拡大する見通しだ。IT専門メディアのGDNETによると、パク社長は今月27日、ソウル江南区三成洞(カンナムグ・サムソンドン)で開かれた「半導体の日」記念式で「電気自動車と自律走行車の核心はカメラ」とし、「サムスン電子はカメラに強く、他社が真似できないほど解像度の高いカメラ用製品を量産している」と述べた。また「イメージセンサーで多くの部分を準備している」とし「匂いを嗅ぐ嗅覚、味を感じる味覚など多様なセンサーの開発も準備している」と説明した。
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