ポスコケミカル、負極材事業拡大で市場攻略に乗り出す

ポスコケミカルが負極材事業の拡大に乗り出す。すでに定着している正極材事業と共に負極材の生産量も高め、バッテリー素材市場で先導企業になるという構想だ。このため、ポスコケミカルは完成車メーカーとのジョイントベンチャー(JV、合弁投資)を通じて、米国に負極材生産工場を建設する計画だ。韓国メディア「BUSINESSwatch」が報じた。
原文記事: http://news.bizwatch.co.kr/article/industry/2022/11/02/0003

ポスコケミカルのミン・ギョンジュン代表取締役社長は今月1日、ソウル瑞草区(ソチョ・グ)のJWマリオットホテルで開かれた「第2回バッテリー産業の日」イベント直後、記者団に対し、「米国完成車メーカー3社(GM・フォード・ステランティス)を含む複数のメーカーとジョイントベンチャー方式の負極材工場増設について交渉している」とし、「年内に(負極材事業に対する)有意義な発表があるだろう」と述べた。

最近、ポスコケミカルが負極材事業の拡大を準備する理由は、負極材事業を巡る状況が変わったためだ。米インフレ削減法(IRA)の施行で中国産負極材を使用できなくなり、ポスコケミカルの負極材事業価値が高くなった。現在、全世界の負極材供給量の70%以上を中国企業が占めているためだ。

これを受け、ポスコケミカルは年内に北米完成車メーカーと供給契約を結び、負極材事業を拡大する計画だ。IRAで高まった需要に対応するため、北米内の負極材生産設備も拡大する方針だ。現在、複数の完成車メーカーと負極材生産合弁法人を設立するために議論している。

ミン社長は「負極材は投資費が高く需要量も高くてわが社だけでは耐え難いためにジョイントベンチャーを設立しなければならない」とし「IRAが施行されるまで時間があまり残っておらず年内には事業の輪郭が出てこなければならない状況」と言及した。

ポスコケミカルは2018年チェ・ジョンウ会長就任後、バッテリー素材事業を新事業として育成してきた。バッテリー事業を基盤に9四半期連続で過去最大の売上を更新した。実際、今年第3四半期のポスコケミカルの売上1兆533億ウォン(約1096億円)のうち69%である7267億ウォン(約757億円)がバッテリー事業部門から出た。

米国の負極材生産工場の建設を通じてポスコケミカルはバッテリー素材事業にさらに集中するものと見られる。正極材事業と共にIRAで事業性が高まった負極材事業にも投資を拡大し、バッテリー素材市場の先導企業になるためだ。

これまでポスコケミカルは正極材を中心に投資してきた。正極材はバッテリー原価の40%以上を占めるのに対し、負極材は10%程度に過ぎず、収益性に差があるためだ。

実際、ポスコケミカルの正極材部門の売上は負極材に比べて10倍近く高い。今年第3四半期のポスコケミカルの正極材事業の売上は6538億ウォン(約681億円)(合弁法人ZPHEの売上960億ウォン、約100億円を含む)、負極材事業が684億ウォン(約71億円)だ。前年同期比正極材の売上は283.4%増えたが、負極材は60.2%増加に止まった。

ポスコケミカルは海外に負極材工場を建設し、供給量を増やしていく方針だ。現在、正極材工場は北米、中国だけでなく欧州、インドネシアなど海外各国に建設中であるのに対し、負極材生産工場は世宗(セジョン)と浦項(ポハン)が全てである状況だ。

ミン社長は「負極材は投資に比べて収益性が多く出てくる事業ではないため、投資に慎重にならざるを得ない」とし「だが、現在全世界のバッテリーメーカー各社が正極材より負極材を入手しにくい状況という点を考慮し戦略的に準備をしている」と述べた。

参考記事:ポスコケミカル、負極材「中国独占」を破る…次世代製品の準備は順調
参考記事:ポスコケミカル、正極材は堅調も負極材が軟調で1Q営業利益は予想を下回る
参考記事:ポスコケミカル、「インフレ削減法」の恩恵を享受…正極材シェア20%狙う

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