サムスン電子は7日、世界最高容量の「1Tb(テラビット)第8世代VNAND」の量産を開始したと明らかにした。昨年下半期に第7世代NAND量産に入ってから1年ぶりだ。韓国メディア「聯合ニュース」が報じた。(写真:第8世代VNANDサムスン電子)
原文記事:https://www.yna.co.kr/view/AKR20221107031200003
「1Tb TLC(Triple Level Cell・1個セルに3個ビット保存)第8世代VNAND」は単位面積当り保存されるビット数(ビット密度)が業界最高水準の高容量製品だ。ウェハー当たりのビット集積度が前世代より大幅に向上した。
第8世代VNANDには最新NAND型フラッシュインターフェース「トグルDDR5.0」を採用した。これに伴い、第7世代NANDより約1.2倍速い最大2.4Gbps(1秒当たりギガビット)のデータ入出力速度を支援する。
また、PCIe(高速入出力インタフェース)4.0インタフェースをサポートし、今後PCIe5.0までサポートする計画である。
サムスン電子メモリ事業部フラッシュ開発室のホ・ソンフェ副社長は「高集積・高容量に対する市場の要求でVNANDの段数が高くなったことにより、3次元スケーリング技術でセルの平面的と高さを全て減少させ、セルの体積を減らして生じる干渉現象を制御する基盤技術も確保した」と説明した。
最近、半導体業界ではNAND段数積み競争が激しい。SKハイニックスとマイクロンなどライバル会社は今年200段以上のVNAND技術を公開し「積層競争」を繰り広げた。
これに先立ち、マイクロンが232段、SKハイニックスが238段NANDフラッシュ開発をそれぞれ発表した。
従来、サムスン電子が生産した第7世代VNANDは176段だ。会社側は今回の第8世代VNANDの段数を公開しなかったが、これまで200段以上NANDを作る技術力は備えていると強調してきた。
サムスン電子は第8世代VNANDを前面に出し、次世代エンタープライズサーバ市場の大容量化をリードし、高い信頼性が必要な電装市場まで事業領域を広げる計画だ。
特に電装市場は2030年以後にはサーバ、モバイルと共に3大NAND応用先として浮上するものと会社側は予想している。
電装市場の場合、最近システム水準が上がり、車1台に入るメモリ搭載量はもちろん、仕様自体も高まっている。
サムスン電子は先月初め、米国シリコンバレー「サムスンテックデー」で今年の第8世代VNAND生産に続き、2024年に第9世代VNANDを量産する計画だと発表した。
また、2030年までにデータ保存装置であるセルを1千段まで積むVNANDを開発するという目標も明らかにした。1千段は現在、176段の第7世代VNANDより5倍以上保存可能な水準だ。
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