ヨンプン(永豊)は8日、世界で初めて乾式溶融方式の使用済みバッテリーリサイクルパイロット(Pilot)工場が稼動に入ったと明らかにした。慶尚北道奉化郡(キョンサンブクド・ボンファグン)のヨンプン石浦(ソクポ)製錬所第3工場に建てられたパイロット工場は、年間2000トン(t)の使用済みバッテリーを処理できる。電気自動車8000台分だ。韓国メディア「ChosunBiz」が報じた。(写真:ヨンプンの精錬所でバッテリーリサイクルを行っている様子)
原文記事:https://biz.chosun.com/industry/company/2022/11/08/EOXZVUYQDNBZRKVQFRTTO364KU/
ヨンプンによると、パイロット工場には乾式溶融技術が採用された。リチウムバッテリー(LiB)フレークを高温の溶融炉に入れて溶かした後、比重が軽いリチウムは工程の最初の段で集塵設備を利用してホコリ(Dust)形態で捕集し、その他ニッケルとコバルト、銅などの有価金属は溶湯形態で取り出す方式だ。リチウムは90%以上、ニッケルとコバルトなどは95%以上回収できる。
ヨンプンは2023年上半期中に湿式工程設備も追加することにした。乾式溶融工程で回収した中間生産物を湿式工程に入れて炭酸リチウム、硫酸ニッケル、硫酸コバルト、銅などの製品で生産しバッテリー正極材・負極材原料として販売する計画だ。
ヨンプンはパイロット工場を皮切りに、2024年までに年間2万トン(電気自動車8万台分)規模のバッテリーリサイクル1次商用化工場を完工することが目標だ。2030年以降はリチウムとニッケル、コバルトなどのバッテリー素材原料を年間70万トン生産し、約5兆ウォン(約5296億円)規模の売上を上げるという青写真も描いている。
ヨンプンのイ・ガンイン社長は「パイロット工場稼動で伝統製造業である製錬業を越え、環境にやさしい未来産業である二次電池リサイクル分野をリードできる橋頭堡を用意することになった」とし「今後も伝統産業と新技術の調和を通じて持続可能な成長を追求する」と述べた。
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