ポスコケミカルが電気自動車(EV)バッテリーの核心素材である正極材を生産する光陽(クァンヤン)工場を単一工場基準で世界最大の年産9万トン規模に増設した。韓国メディア「東亜日報」が報じた。(写真:ポスコケミカル)
原文記事:https://www.donga.com/news/article/all/20221110/116424466/1
ポスコケミカルは今月10日、全羅南道光陽市(チョルラナムド・クァンヤンシ)で正極材光陽工場の総合竣工式を行った。今回の増設を通じて、従来の年間3万トンだった生産能力が9万トンに拡大した。ポスコケミカル側は、60kWh(キロワット時)バッテリーを搭載した高性能電気自動車100万台余りを生産できる規模だと説明した。
ポスコケミカルのミン・ギョンジュン社長は竣工式で「世界最大規模、最高水準技術を備えた生産基地を構築し急成長する市場需要に対応する基盤を用意した」と述べた。
光陽工場は2018年8月、年間生産5000トン規模で第1段階着工した後、電気自動車市場の成長に歩調を合わせて計4段階にわたって増設してきた。敷地面積は16万5203m²で、サッカー場23個の大きさに達する。
光陽工場では次世代電気自動車バッテリー素材の一つである「ハイニッケルNCM・NCMA」を主力に生産する予定だ。ハイニッケルNCM・NCMAはニッケル含有量を60~80%まで高め、コバルト、マンガン、アルミニウムを組み合わせて作った正極材素材だ。バッテリー容量を引き上げることができるという長所のおかげで、次世代電気自動車バッテリー素材に挙げられる。
ポスコケミカルは光陽工場の増設完了で1万5000トン規模の既存施設と合わせて年間正極材生産能力が10万5000トン規模に拡大することになった。6万トン規模の浦項(ポハン)工場、3万トン規模の中国ZPHE工場、米ゼネラルモーターズ(GM)と合弁する3万トン規模のカナダケベック工場なども追加で建設および増設中だ。2030年までに全体生産能力を61万トンまで引き上げる計画だ。
ポスコグループはこの他にも、光陽を中心にバッテリー原料や素材生産バリューチェーンを造成し、電気自動車の需要に対応している。ポスコフィルバラリチウムソリューションは昨年5月、水酸化リチウム生産工場を、ポスコHYクリーンメタルは昨年9月、使用済みバッテリーからリチウムやニッケルなどを抽出するリサイクル工場を光陽栗村(ユルチョン)産業団地でそれぞれ着工した。
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