最悪の寒波の中、ディスプレイ業界に春を知らせる足音が聞こえてくるのか。
LG電子とLGディスプレイは、並んで今年第3四半期にテレビ産業の不況で業績不振を免れなかった。韓国メディア「グローバルエコノミック」が報じた。(写真:LGディスプレイ)
原文記事:https://www.g-enews.com/article/Industry/2022/11/202211140914251446de014c1a1f_1
LG電子テレビ事業本部は、今年第2四半期の赤字転換に続き、第3四半期でも554億ウォン(約59億円)の営業損失を記録した。LGディスプレイも第3四半期の営業損失7593億ウォン(約801億円)で、2四半期連続赤字を出した。
LGディスプレイは工場稼動調整と共に1兆ウォン(約1055億円)以上の投資縮小を発表した。ロシアとウクライナ戦争の不確実性で危険を回避した方が良いと判断したためだ。
14日、Eマートによると、2022カタールW杯を控え、先月31日から今月6日までのテレビ売上は、直前の1週間より313%増加した。
年末にはブラックフライデー、カタールW杯などの特需があるものと予想されるが、来年上半期まで続かない一時的な需要と見られる。
金融情報会社のエフアンドガイドは「当分はスポーツイベントと季節性に基づいた需要回復が可能だが、持続性に対して疑問が残っている」とし、前方市場が縮小される場合、原価縮小自信に基づいた決定が必要だと分析した。
続けて「コマディティが難しいならば成長する前方市場向けスペシャルティに集中しなければならない時」とし「今後のフォルダブル、全長・ウェアラブル用ディスプレイ市場がこれに該当」と見通した。
LGディスプレイは最近公開した高解像度ストレッチャーブルディスプレイで業績不振克服の礎を築いた。
LGディスプレイは今月8日、世界で初めて画面が最大20%伸びながらも高解像度を実現した12インチフルカラーストレッチャーブルディスプレイを開発したと明らかにした。
ストレッチャーブルディスプレイは薄くて軽いだけでなく、肌や衣類、家具などの不規則な屈曲面にも接着でき、今後ウェアラブル、モビリティ、スマート機器、ゲーミング、ファッションなど多様な産業分野に幅広く採用される見通しだ。
産業研究院のナム・サンウク副研究委員は「(不況)突破口としてストレッチャーブルなどに集中するのが正しいが、その分野が全般的な突破口になるためには時間がさらに必要だ」とし「再来年それ以上まで行けば突破口になりそうだ」と見通した。
ナム委員は「可視圏にはiPad OLEDが一番(突破口になる可能性が)大きい」とし「(アップルがOLEDパネルを採用したiPadを)2024年から量産する。サムスンディスプレイは当然持っていくはずだが、LGディスプレイがどれだけ持っていくかがカギだ」と説明した。
業界によると、アップルは2024年に初めてOLEDパネルを採用したiPadを発売し、他の製品群に拡大する方針だという。
この時、サムスンディスプレイとLGディスプレイが核心供給会社になるものと予想される中、LGディスプレイがアップルの受注をどれだけ獲得するかがLGディスプレイの業績に大きな影響を及ぼすことになる。
また、ナム委員は「LGディスプレイは電装用で1位を占め、(電装用が)収益性が良く市場も大きくなっているが、まだ市場規模が小さい」とし「全体的にディスプレイ業界が蘇るためには既存需要からタブレットやフォルダブル側に転換されなければならない」と述べた。
市場調査機関のオムディアによると、来年のディスプレイ面積の需要が今年対比6.2%増加するものと予想される。オムディアは、インフレが緩和され、金利引き上げが鈍化し、需要急減が底をつき、これに伴い、来年下半期までに需要が正常化するための反騰の道が設けられたと分析した。
今年はグローバルインフレ、サプライチェーンへの支障、原材料価格の上昇でエネルギー危機により前年比6.9%減少した。オムディアは全体的に今年は平面パネルディスプレイ史上初めて面積需要がマイナス成長を記録する年になると予測した。
オムディアディスプレイ研究部門のパク・ジンハン理事は「1年以上下落したパネル価格と小売価格は消費者心理を刺激する恐れがある」とし「特に価格が急激に下落した超大型テレビが急速に回復するだろう」と見通した。
また、70インチ以上のテレビ市場は2022年1800万台から2023年2100万台へと15%以上成長するものと予想される。70インチ以上のテレビの割合が来年に初めて全体テレビディスプレイ市場の20%を超えるものと観測される。
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