超微細半導体工程に必須の極紫外線(EUV)露光装備の独占企業であるオランダASMLをはじめ、グローバル装備業界「ビッグ4」が韓国への直接投資を行い、韓国が半導体装備分野で中国の代替地として急浮上している。特に米・中間半導体覇権競争激化で脱中国に乗り出したグローバルメジャー装備会社が韓国に移動し、台湾とグローバル半導体装備産業の主導権競争に火がついている。韓国メディア「ファイナンシャルニュース」が報じた。(写真:ASML)
原文記事:https://www.fnnews.com/news/202211201905588101
20日、関連業界によればASMLが今月16日、京畿道華城(キョンギド・ファソン)サムスン電子半導体工場近隣に造成する「華城ニューキャンパス」が着工に入り、グローバル半導体装備市場で60%以上のシェアを占める上位4社の研究開発(R&D)基地が韓国に集まることになった。約2400億ウォン(約250億円)が投入されたASML華城キャンパスには半導体露光装備修理センター、次世代半導体露光装備技術センターなどが入る予定だ。アプライドマテリアルズ(AMAT)は今年7月、産業省と投資意向業務協約(MOU)を締結し、京畿道一帯にR&Dセンターを建設すると発表した。東京エレクトロン(TEL)は今年、2000億ウォン(約208億円)を投資して既存のR&D施設を増築することにした。TELは2012年、グローバル半導体装備企業の中で真っ先に国内(京畿道華城)にR&Dセンターを設立した。ラムリサーチは今年4月、京畿道龍仁市(キョンギド・ヨンインシ)の池谷(チゴク)産業団地にR&D施設であるコリアテクノロジーセンター(KTC)を開設した。
寒波に見舞われた韓国内半導体業界では、グローバル半導体装備会社の国内進出を大いに歓迎している。業界関係者は「半導体装備確保競争が激しい状況でグローバル企業がR&Dセンターと修理センターなどを建設することはサムスン電子、SKハイニックスだけでなく国内素材・部品・装備企業にもグローバル企業の技術とノウハウを得る機会になるだろう」と見通した。
産業研究院(KIET)のキム・ヤンペン専門研究員は「サムスン電子とSKハイニックスなどの巨大需要企業があるため」とし「最近米国の対中国牽制が激しくなっている状況でアジア進出のための橋頭堡として韓国を選んだものと見られる」と分析した。
こうした中で米国商務省が今年10月、米国企業の対中国半導体装備輸出を事実上禁止し、中国の「代替地」を巡り韓国と台湾の競争が激しくなっている。台湾メディアによると、ASMLは来年に1兆2000億ウォン(約1251億円)を投入し、台湾北部の新北市付近に新規工場の建設に入る計画だ。これに先立ってASMLは最大顧客である台湾のファウンドリ(半導体チップ委託生産)企業であるTSMCが所在する台湾に生産基地を構築し、大規模な投資を続けてきた。
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