半導体ファウンドリ(委託生産)業界のライバルであるサムスン電子と台湾TSMCの受注戦がますます激しくなっている。サムスン電子は差別化した事業戦略を明らかにし、自信を示した。韓国メディア「中央日報」が報じた。(写真:サムスン電子)
原文記事: https://n.news.naver.com/article/025/0003241496?sid=101
27日、海外情報技術(IT)メディアであるWCCFテックなどは最近、IT情報流出者「コーナー」のツイッター文を引用して「クアルコムがサムスンを活用して次世代スナップドラゴンチップを量産しTSMCにも生産を任せるマルチファウンドリ方案を苦心してきた」とし「TSMCが3ナノメートル(nm・1ナノ=10億分の1m)工程を継続的に遅延しているという主張があるが、これはサムスン電子が来年にスナップドラゴン8第3世代を3ナノGAA(ゲートオールアラウンド)工程で量産する可能性が高くなったという意味」と報道した。
これに先立ちコーナーは「ルーマー(噂)」という前提を付けて「クアルコムはサムスンのファウンドリを活用して次世代スナップドラゴン8を製造する可能性が高い。TSMC3ナノ生産が引き続き遅れている」と主張した。業界によると、クアルコムは以前モデルのスナップドラゴン8第1世代の生産はサムスン電子、スナップドラゴン8プラス第1世代と第2世代の生産はTSMCに任せた。
一方、台湾のあるメディアはサムスン電子ファウンドリを主に利用したテスラが4・5ナノ工程製品をTSMCに任せると報道した。TSMCがテスラの次世代完全自律走行(FSD)チップを受注したという内容だ。
シム副社長は「多くの顧客会社が深刻な地政学的リスクで他のメーカーに移動を準備中」とし「2027年までに顧客会社数を今の5倍以上に増やす」と付け加えた。同日、サムスン電子は従来の受注後の設備投資方式とは異なり、半導体クリーンルームを先に建設し、注文に応じて短期的に設備を構築する戦略を打ち出した。
3ナノ技術を前面に押し出したサムスン電子の受注前に、金融投資業界はまず肯定的な予測を出した。キウム証券のパク・ユアク研究員は「ファウンドリ新規顧客確保に対する期待感がサムスン電子株価の追加上昇を導くだろう」と見通した。
ハイ投資証券のソン・ミョンソプ研究員は「サムスン電子は3ナノ競争でGAAが持つ速度と電力消耗量優位を土台に顧客確保戦略を展開する」とし「高い歩留まりを達成しTSMCに対する高い依存度から抜け出したいNVIDIA・クアルコムなどに十分な物量を適期に供給できるかとTSMCの3ナノフィンフェット(FinFET)工程対比低い利益率をどのように克服するかがカギ」と分析した。
参考記事:「TSMCを超える」3ナノで自信を見せるサムスン電子、実力を立証できるか
参考記事:サムスンは米国に新半導体工場を増設するか、テキサス州知事再任で「青信号」
参考記事:サムスン電子・TSMC、グローバルファウンドリをめぐる神経戦が激化